主人公が出会ったのは、まるで透き通ったガラス細工のように美しい1人の女性。しかし、ガラスとは真逆に彼女はずっと心を閉ざし続けていた。そこには、タイトル通り自分自身の存在そのものを「記録」する媒体に自らを残す事が出来ない、と言う奇妙かつ深刻な特異体質があり……。
自分が存在する、と言う証明すら困難であると言う辛い日々を過ごしていた彼女は、やがて献身的な主人公に惹かれ始めて行く事になります。例えその姿を「記録」には残す事は出来なくても、そこに彼女がいたという「記憶」は間違いなくそこにある……どこか切なくも暖かい、ちょっと不思議な恋愛作品です。
この作品が多くの人々に読まれていく限り、間違いなく「透子さん」と言う存在はここに在り続けるのかもしれないですね。
記憶って なんだろう。
心の中に、頭の中に、あるはずの その想い。
同じ時の 同じ場所にいた あの人とそれは 同じものなのだろうか。
一途な青年の 透子さんをすきなきもちが ほんとにかわいくて
ただ そばにいたいって思う 真っ直ぐなこころが いとしくて。
すきな人といる時、時を止めたいって願う。
この瞬間を 絶対にずっとずっと忘れずに 覚えておきたいって思う。
でも、それは可能なんだろうか。 記憶は 薄れゆく。
だからこそ 何かのカタチで残したいって 思ってしまうけど
昔に比べて そういうこともできるけど、頼り過ぎちゃいけないんだな。
一日逢えなくてせつなかったり、相手にちょっぴり意地悪しちゃうとこも
みんな みんな いいなぁって、ふわっとしちゃいました。