一緒にいたい……ただそれだけなのに……



ずっと一緒にいたいと思っていた。まだ子どもだったころには、その願いがかなうと思っていたのに。
生きていれば、晴れの日だけじゃなく、雨の日も嵐の日もあって、それを知りながら少しずつ大人になっていく。
でも、そこにはいつも変わらない、ふたりで見ていた海があった。
琴音の視点で語られる物語は、彼女の人生が一筋縄ではなかったことを語ってくれます。でも、彼女には戻りたい場所があった。そして大切な人も同じことを思っていた。

いつの間にか琴音の気持ちにシンクロしていき、喜怒哀楽を共にしてしまいます。妹の和奏に対する思いも少しずつ変わっていく。そして蒼太への本当の気持ちも。

10年という年月がみんなを大人にしていく。決して順調とは言えないかもしれないけれど、好きな人と一緒になることの意味を人一倍噛み締めさせてもらえる素敵なお話です。

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