雷がこわい妹

戸松有葉

雷がこわい妹

 うちの妹は昔から雷が怖い。

 以前はよく、泣きながら俺のベッドに潜り込んできていた。

 そんな妹も小学五年生ともなると成長するらしい。

 今日は雷の音も一段と大きかった。頻度も高い。

「お兄ちゃん」

 夜、俺の部屋に来た妹。だが以前とは違う。

「か、雷のやつ、倒してきてやったぜ……!」

 そう告げると、パタリと倒れるようにベッドに入った。

 激戦を終えて倒れてしまったのだ。

 という設定。


 雷まだ鳴ってるけど。


 枕持ってきてるけど。


(了)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

雷がこわい妹 戸松有葉 @anakamasyouta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ