人工知能を巡る課題の重さに気づかされました。

 人工知能やビッグデータで人も社会も便利で安心という、幸せいっぱいバラ色の側面だけを夢見ていた自分に反省です。
 技術革新は人間の向上も求める、と分かっているつもりでしたが、なにしろ今度の技術は人間とは桁違いに優れた『超人』を作り出しかねない。
同じ人間だって全ては信用しきれないのに……。
 人工知能に代わられたくなかったら自分の人格を移植すればいい、とか簡単に考えてましたが、それってただ『移植人格』に名を変えた、もっとアブない(笑)人工知能を野に放つのと同じでは?とも気づいたり。
 しかし!人間はすでに自らの生存本能と、無制限的な欲求を伴う知性を持っている。素敵なピュグマリオンを創る誘惑に抗しきれるでしょうか。私達は高齢化し、妻や子のいない者も多い。素敵な老後や永遠の生命さえ与えてくれ、何よりオタクな夢も叶えてくれるかもしれない(笑)技術を拒めるでしょうか。なあに遺伝子操作で超天才になった実の子だって何を仕出かすか分からないのはおんなじだ(←もうほとんどヤケ)!
 『良心回路(プログラム?)』のようなものを考案してもらったり(←用語が昭和)、私達自身も親孝行や動物愛護や自然保護を学んで教えたり(←未学習か? そしてもしや俺達アリさん並みなのかっ!?)、人間を調べ人工知能に生かす過程で両者の向上を図ったりとか(←やっぱり楽天的)して、何とか人工知能の技術を開発・普及し活用していただきたい、と必死でお願いしたくなるくらい、インパクトのある作品でした。
 自分の事は棚に上げて恐縮ですが、人工知能はこういうことも考えられるしっかりとした人達に、研究や管理を任せねばならないと感じました。
 

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