囀り程度の短い詩を

秋野 終

君に捧ぐマルベリー

君と話をしよう。


地図帳代わりに絵本を開いて

君の中の世界を渡る


そこにはきっと金色の海があって

ピンクの蝶々が深緑の鱗粉を撒き散らし

川はオレンジ

泳ぐ魚は虹色か無色透明に輝くはずだ


君の世界にはルールがない

君が規律で君だけが現実だ


青いしがらみでがんじがらめの僕は

君の自由に救われる



さぁ

君と君の自由の話をしよう

そこにもし灰色の僕がいたのなら

僕は明日

真っ黒な鳥になって羽ばたくよ



僕の世界に君はいない

君がルールで僕は監獄

原色の君が僕のすべて



話をしよう。


朝が来たならきっと金色の海を見に行こう。



君が泣いたら僕は笑う

明日は僕の絵本の中で


君と僕らの話をしよう。

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