読了いたしました。
また一つ、二次創作の新しい種を発見しました。
原作に共通するキャラクターはその特徴をつかんでいて、新キャラも違和感はない。
話の進み方もテンポよく頭に入ってきます。
ハルヒの二次小説の多くは高校入学以降をその主要な舞台にしています。原作でもそれ以前の情報は少ないからですね。
彼が実はエージェントではないかとは原作でも示唆されるにとどまっていますが、そこをガツンと想像力で過去にさかのぼって押し広げた点は高く評価できます。
アクション描写も視覚的インパクトがあります。この系統の小説に書き慣れてらっしゃるのでしょうか? それにしても彼が武道の心得がある、という設定は秀逸。話を広げれば、実は敵対的組織から彼女を守る、という展開もありですし。
(「溜息」の裏話でもこの設定は生かせそう)
ただし、この設定、一回オープンになってしまうと使い回しが効かない(部分的に某団員氏とかぶりますから)のがつらいところ。
もう絶対的な危機また危機の中、最後の切り札として「彼」共々「男を賭ける」などという腐的妄想が走りました。
おもしろかったです。
どうもありがとうございました。
おかしい。かっこいいしか言えていない。
平凡な男の子が、過去の後悔と現在の憤激を糧に、飄々と語りながら、でも、いざと言う時は勇気を出して戦う。
これでかっこよくなかったら、かっこいいものなんてこの世にはない。
いい! いい!!! いい!!!!!!
ダメだ。言語能力が奪われるな。誰かそういう特殊能力持ちがいるのかもしれない。
細かいところの言葉の選択や、原作についての再解釈も大変良くできているので、そういうファン、つまりストーリーが良くできているだけで満足するのでなく、原作世界を拡張したいファンにもお勧めですね。
ただちょっと作中にいくつか新たな謎が生まれており、この謎も十分魅力的ですので、この謎が解き明かされる続編はあるのかなーー!? あってほしいなー!!?? という感じになります。まあ、それも思考の種になって良いのかもしれません。
とにかく「彼」が好きになる話だと思います。かっこよかったー!