あなたのカクヨム大丈夫ですか？

ランキング実装、始まるデスゲーム

あなたのカクヨム、デスゲームじゃないですか？

　　　　　　　　　　　　　　登録が完了しました。

　　　　　　　　　　　物語を愛する全ての人たちへ……。

　　　　　　　　私たちが贈る新時代の小説投稿サイトへようこそ。

　１２月２５日。

　今度オープンする、大手出版会社主催のweb小説投稿サイト・カクヨムの事前登録開始日だ。

　ワナビを自称する俺ももちろんこのビッグウェーブに乗らない手はなかった。

　今更、小説家になろうに投稿するのも尻込みしてしまう俺にとって、この話は降って沸いた大チャンスだった。

　なにせ新規小説投稿サイト、しかもあの大会社が大々的に宣伝している。スタートダッシュを決めた上で読者を獲得できるいい機会だ。

　ワナビ友達を誘って一緒に参加したのも当然だろう。

　最初の波に乗れるかどうかで、この先プロの小説家になれるかが決まる。ここが俺たちの正念場だった。

　２月２９日。

　そういえば今年は閏年だった。閏年でなければキリよく３月頭にオープンだったのだろうか。

　作品はプロットも完成し、少しばかりの導入まで書き上がっていた。あとは毎日更新で読者を呼んでくるだけだ。完璧な作戦だと我ながら思う。

　最初から完結している作品も魅力的だろう。

　でも、常に続きを読み続けられる物語はどうだろうか。小説家になろうの作品たちはそうやって人気を稼いでいるのだから、それが一番読者の気を引く方法に違いない。

　カクヨムオープン。

　俺の作品が世に出た瞬間でもある。

　数多の小説家志望の作者たちがしのぎを削るコンテストが今始まったのだ。

　３月８日

　俗に言うフォロ爆が規制された。

　数多のユーザーをフォローし、自分の作品への注目を集める手法を、運営が規約違反だとして対処したのだ。

　フォロ爆を行ったユーザーの作品はランキング非掲載となり、この検索機能の欠落したサイトにおいて、日の目を浴びるには困難な状況を強いられた。

　当然それに怒る人々もいて、運営に抗議する人は増えた。

　だが、そんなことはまだ序の口だった。

　同日、ランキング実装。

　同時に僕たち作者は一斉に、ある白昼夢を見ることとなった。