最終話【】


 もうどうしようもない。

 私はもう充分頑張っただろう?

 もう沢山だ。

 此れ以上の重荷は要らない。

 誰にも求められていないのに

 「いつかきっと」

 そう妄信して書き続けるのにも疲れたし、

 例え誰か一人でも僕の書いたものを好きになってくれたとすれば、

 寧ろ罪悪感で一杯になって耐えられない。

 何で俺なんかの作った出来損ないを好きになるんだ。

 そんなの間違ってる。だから、

 早く忘れてくれ。

 そんな気持ちで一杯になる。

 だからもう俺は生きたくない。

 誰にも好かれず、

 誰の役にも立てず、

 誰にも求められない。

 こんな人生は生きてて楽しくない。

 やっと決心がついて、良かったとすら思っている。

 人間に理解されないバケモノが幾ら足掻いたところで、

 人間の共感と理解を食い物にする小説家なんかにはなれない。

 何処かの企業の営業職に就いて、出世する事も絶対に出来ない。

 だが無差別大量殺人を行って死刑になるのも嫌だ。

 死にたくないからじゃない。

 こんな奴の人生に幕を下ろす為だけに殺されていい人がいると謂う考えが、

 とてつもなく失礼だと思うからだ。

 何一つ思うままにならない人生だった。

 だが、そんなクソみたいな人生こそ俺に相応しい、似合いの人生だったとも思う。

 そもそも、何か一つの事が成功しようとする度に、

 怖くなってわざとトラブルを起こし、

 失敗や挫折と謂う結果へ導いていたのは私自身だ。

 初めからこうなる以外に道は存在していなかった。

 だからこれでいい。

 あざとーすと名乗りツイッターを始めて早10年、

 ニンジャスレイヤークラスタ内で炎上して追放されてからは、

 色んな名前を名乗って色んな悪事や迷惑行為を働いてきた。

 その都度反省して、二度と罵詈雑言は言うまいと誓ってきた。

 だけどこの有様だ。

 そしてこの10年でよく分かった。

 俺は人間じゃない。

 人間と仲良くやっていけない。

 誰にも嫌われずに生きていく事すら出来ない。

 実の親ですら俺の存在を人生の試練と捉えていた。

 今やこの人生の何もかもが虚しく、無意味で無価値に思えて仕方がない。

 それでも昔の俺は健気な事に、

 その無意味さ、無価値さこそが人間の真理で、

 意味を自分で見つけて生きていく事こそが真の人間の道だと妄信していた。

 でも、それは違う。

 嫌われ者は誰からも生きる意味を与えられない。

 ただそれだけに過ぎなかっただけ。

 こんな人生、生きてて本当につまんない。

 クソゲーだ。とっとと叩き割りたい。だから叩き割る。それだけ。

 来世が無い事も地獄すらない事も分かっている。

 だがそんな程度の恐怖で踏み止まれる程の心の余裕ももう無い。

 知るかよ。とっとと終わるんだ。こんなクソ人生。クソ世界。クソ自我。

 もうそれ以外何も考えられない。考えたくない。

 努力が足りないだと? 俺は俺なりにやれるだけの事はやった。

 これ以上求めるなら他所の人間に求めろ。

 俺の死に様を見て嗤いたいなら笑え。

 誰かの笑いのネタになれたってのは一つの誇りにはなれそうだ。

 まあその時には誇りに思える奴はいねえけどな。

 っていうかこんなの読んでる奴誰もいねえだろ。

 あーマジでやる気なくなってきた。死にまーす。バイバーイ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

続、錆 豊臣三毛 @112358jondo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ