第17話

 /拾陸


 何にもない荒野の真ん中に、一人の少女が立っている。

 その周りには、その少女の親に当たる者や、友達、親戚などが多くいた。

 全員で空を見上げている。その空は、綺麗な青だった。


 少女はその空を見て、ふと、くすっと笑った。


「もっともっと、楽しんで。もっと、笑って。私はここから、ずっとずっとあなたの事を見守っているわ」


 すると少女は、満面の笑みをこぼしながらこう言った。

 その場にいた人達は皆揃って首を傾げたが、その言葉を正しい意味で受け取ってくれる人は、たった一人しかいない。


 そう……たった、ひとりだけ。私の、『探す』旅の事を知っている、ひとりだけ。



「終焉世界で、君を待ってるよ」



 /end.

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終焉世界で待ってる 竜造寺。 @ryuzouzi

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