コンテストのアイデアと実際につけた例3


今回も引き続き筆者本人が実際に自分の小説につけたコピーを他の人間にみせた場合の反応などからキャッチコピーの良し悪しを分析・判断していきます。

紹介が遅れましたが講評にご協力いただいたエヌ氏は同人サークル(オリジナルビジュアルノベル制作。詳細はブログからも飛べます)の知人です。



講評の前にちょっと寄り道かつ話が前後して申し訳ないのですが、少しこのエッセイの補足説明をさせていただくとはじめの注意書きにも書いてありますが


「良いコピーをつけることによるPV増加を保障するものではありません」


の一文を入れた意図としてはあくまで、例えばいくつかコピーを考えたけれどもどれがより作品にあっているか。もしくは単純に目をひくのか。

なんなら作者として満足のいくものでもOK。ベストではなくともベター。

その方向性を模索する為のエッセイにしたい(というかそういう形でしか書けません)との考えから筆をとりました。


もし仮に良いコピーをつけた場合によるPV増加の効果は多少なりともあるとは思われますが、単純にコピーだけの効果ではなく他の要素により増加した可能性もありますので、同じ条件。

例えば同じ内容の小説を二つ用意して(小説は一つで入口だけ分ければいいのかもしれませんが)同時に掲載。

そして別々のコピーをつけられる環境がないと難しいと思われます。


単純に考えても他の要素として掲載順やコピーの色が変わるだけでもクリックされるのに影響がありそうに感じます。


なんてことを考えているうちにふと、これを発展させて気楽なキャッチコピーコンテストにしたら面白いんじゃないだろうかと思いついたりも。

一つの作品を参加者各々がこれだ! と思うキャッチコピーつけて競い合うような形なんかで。


評価方式はそのコピーごとにリンクが分かれていて、どのコピーから飛んできたか分かるようにするシステムだったら多分そんなに難しくないんじゃないかなと。

勿論上下左右の掲載順はランダムで公平に。


何処かのサイトのタグ一覧みたいに再頻出単語は大きくなるような一次的なフィルターなんてあったら更に面白そう。

その次のページでその単語が入ったコピーが並ぶような……。


こんな一文ぐらいの気楽なものなら読者も参加できるし、名コピーライターみたいな称号的な名誉を得られる楽しみもある。おまけに作者からも喜ばれる副次的なものもあると思われます。


賞品は是非カクヨムボールペンがいいですね。

後はささやかな満足感ぐらいなもので、どうでしょうか。



……と前置きはこれくらいにして、引き続き第三案の例から始めます。



<第3案>



「コペンハーゲン解釈の世界」



筆者の思惑:


そういえばこの『羊 夜 世界』に出てくる世界観って、コペンハーゲン解釈と一部通じるものがあるかも。

個人的に量子力学の話も好きだし、今後作中にその辺りの説明も出したりも出来そう。

それになんか凄そうに見えるし、なにより字面がかっこいい。


おまけに早くもコピーの段階で作品の中核である別世界の説明まで出来る(第二案と同じ発想。まるで成長していませんね)

これまた一石二鳥だ。これで文句はないだろう。多分。



エヌ氏評:


これはちょっと判断が難しかった。ありはありなんじゃないかと。

でも多くの人に見てもらうという観点では、こういった一見難しそうな単語はあまり良い選択とは言い難いと思う。

その分野に精通した、もしくは興味のある読者の数によるかもしれないが、多分そんなに多くはいないのでは。


読み進めていくうちに作中で詳しい説明があるのだろうけど、難解なコピーの解説・意味を完全に作品を委ねるというのは、作品の概要・全体像を分かり易く伝えるというコピーの目的からは外れるのでは。


しかしながらコピーのもうひとつの目的である本文を読ませる為という役割としては悪くないと思う。

なぜならコピーの意味を知る為に読む、というのは十分読むモチベーションの一つになるので、おそらくそれなりに効果はあるだろうから。


でもやっぱり一番最初に目に触れるものが難解だと、他の人はどうだか分からないが自分としては避けると思う。

ましてや他の作品が多いサイトだったら別の作品にいってしまう。

それにタイトルでも同じ役割、つまりタイトルの意味を知る為に読ませるということも出来るのだから。

上手く各々の得意な役割でちゃんと分けた方がより相乗的な効果も出るんじゃないかと。


どうせコピーの意味・意図を知りたい、というモチベーションで煽るのであればいっそその目的に沿った簡素、平易なコピーにして好奇心を刺激する方向がより良いのでは。



筆者によるまとめ:


なんだか今回はエヌ氏評が難しかったので、文字にして改めて読み返して二回目でようやく理解できました。

これは自分のつけたコピーのレベルが上がったということで単純に喜んでいいのでしょうか(そんなことはない)

コピーの要因だけではないかもしれませんが、実際このコピーをつけていた時のPVの伸びは芳しくありませんでした。


エヌ氏の言わんとしてることを簡単にまとめると


・誰にでも分かる簡単な単語、文で


・なおかつコピーの意味・意図を知りたい、という欲求を煽る


というのだったらOKということなんでしょうか。

今回はかなり具体的な方法が聞くことが出来たのは大きな収穫でした。

それとタイトル、コピー、あらすじとできちんと役割を分け、更にその役割を特化させるというのも目からうろこの具体的なテクニックだと思いました。

それはそうとコペンハーゲンってなんだか食べ物の名前みたいですね。



***



三つめの駄目だしを受けた当時の筆者は、ここにきて流石に考える。


このまま無策でただ思いつくまま適当にコピーをつけても全くらちがあかない。

そのあたりは完全にエヌ氏に見透かされているからまたばっさりやられるのオチだ。

考えなしに無暗にやったり丸腰では歯が立たない、せめて何かしらひとつでも武器があれば。もしくはきちんと定まった方向性があればまだ違うだろう。

そこで筆者が考えた方法は……





また文字数が長くなってしまったので今回の講評はここまでです。

最後に考えたコピーは次回に続きます。


最終的になぜそのコピーにしたか、またその反応(講評)を中心に筆者が考え出した方法を交えて、またあれこれ書いていこうかなと思っています。



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