すべてのものは移ろい、変わらぬ月が雨夜を照らす

生きるということは美しいだけではない。
一人の青年の成長は、時に素晴らしく、狡く、汚く、喜びがあり切なさがある。
それは当たり前のことだけれど、やがて彼らは己の意志だけではどうにもならない時流の渦に呑まれてゆく。
かつてのように放埓でしかし凪いでいた日々は還って来ない。
何もかもが移ろってゆく。
汚れてゆくことは悪だろうか。
変わらぬものなどあるのだろうか。
今年も庭に咲く菊に、彼は何を見るのだろうか。

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