★★★ Excellent!!! すべてのものは移ろい、変わらぬ月が雨夜を照らす 早瀬翠風 生きるということは美しいだけではない。 一人の青年の成長は、時に素晴らしく、狡く、汚く、喜びがあり切なさがある。 それは当たり前のことだけれど、やがて彼らは己の意志だけではどうにもならない時流の渦に呑まれてゆく。 かつてのように放埓でしかし凪いでいた日々は還って来ない。 何もかもが移ろってゆく。 汚れてゆくことは悪だろうか。 変わらぬものなどあるのだろうか。 今年も庭に咲く菊に、彼は何を見るのだろうか。 レビューいいね! 0 2017年9月17日 19:55
★★ Very Good!! 至高のハードボイルド雨月物語 おぼろつきよ 「雨月物語」モチーフだなんてズルイ!(というかセンス抜群) ほの暗く甘美な恋を抱えつつ、成長していく若者の青春譚。 本編も外伝の「人斬り邂逅~異・雨月外伝」も 衆道を貫こうとする楊三郎が、せつなくて最高です。 レビューいいね! 0 2017年3月28日 21:04
★★★ Excellent!!! 幕末の混乱期を生き生きと描いた力作です。佐賀と福岡を股に掛けて。 時織拓未 いや〜、面白かったです。本当に面白い! 基本は青年の成長話なんですが、それが良く描かれています。オーソドックスに、父親を支点とした主人公の成長振りが描き切れています。 また、冒頭の展開にド肝を抜かれますが、それが中盤、終盤と読み進める内に、主人公の立ち位置も変化して、切ないですなぁ〜。 取り敢えず、レビューを書いちゃいましたけど、明日、何処までが史実に忠実なのか?をネットで調べてみようと思います。作者も事前に釘を刺している通り、大半は創作だと思いますが、幕末の佐幕派と攘夷派の軋轢が上手く背景に馴染んでいます。 筑前筑後さんは、やっぱり長編ですよ。失礼ながら。 レビューいいね! 0 2017年3月27日 21:59
★★★ Excellent!!! 幕末の時代に生きる若者 悩みながら成長していく潔さ 霜月 幽 激動の時代に生きる主人公が、等身大に描かれ、確かな時代背景描写とともに、ストリーの展開も素晴らしいです。そしてなんとも切ない人の愛しさ悲しさが、ラストに凝縮されています。どうなるんだろうとはらはらどきどきして読み進み、最後はしんみりしました。読んで良かったと感謝する作品です。 この後の、展開も読んでみたいです。 レビューいいね! 0 2016年4月6日 15:26
★★★ Excellent!!! 幕末の雨の後の月を見上げて 紀和沙 『雨月物語』より題材を取り、幕末へとシフトさせた作品。 しかしただのシフトだけではありません。人物の心情や世情の流れといった新たな要素を加えて、鮮やかに物語化しています。 今後の展開も気になる作品です。 レビューいいね! 0 2016年3月16日 11:56