黒いスーツの青年椎名は黒き絶望と対峙し、そして自ら黒く染まる。死してなお闇にもがく椎名に差し込んだ一筋の光。"衝動"という抗いようのないものから救ってくれる小さな手。椎名はそれすらも斬ってしまうのか。考え抜かれた世界観と魅力的なキャラクター。そして読み込ませる語り。ツイッターの一部のフォロワーに絶大な人気を誇る斜芭萌葱さんの代表作、堂々登場。
赤い瞳に喪服姿の『葬儀屋』の人たちのお話。衝動を持った彼が悩みながらも、向き合おうとする姿は死者なのに人間らしく面白かったです。対する相棒の彼女の必死さも伝わってきて、いじらしく思えました。
さまよう死者の魂を送り出す身でありながら、自らにも向けた滅びの刃を抱えもつ主人公。そんな二律背反な存在を高い文章力で動かす筆致。ページをスクロールする手をなかなか休ませてくれない。現世残留理由…続きを読む
死した魂を輪廻に導く紅い瞳の喪服姿、葬儀屋。その中でも異端ともいえる存在、椎名と彼と新たに相棒を組むことになった胡蝶の物語。淡々と静かに語り掛けるような文体と、重々しくそして確実に前に進む展開が…続きを読む
斜芭萌葱さんという物語の紡ぎ手を知るためにもっともよい手段はこの小説を読むことです。死者と相対する死者である「葬儀屋」の青年椎名の視界と行動、そしてその内心の葛藤を通して描かれる残酷で、何が救い…続きを読む
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