斜芭萌葱さんという物語の紡ぎ手を知るためにもっともよい手段はこの小説を読むことです。
死者と相対する死者である「葬儀屋」の青年椎名の視界と行動、そしてその内心の葛藤を通して描かれる残酷で、何が救いであるかを見失ってしまいそうな迷える死者たちの世界。けれどその先にはきっと微かな希望の光が見えるのだと。陳腐な言葉ではありますがそう信じさせてくれる存在としての胡蝶という少女が際立っています。
2人が「葬儀屋」として何を感じ、何を思うのか。生者である読み手はその在り方に思いを馳せながら物語に没頭していこうと思います。
2016/03/08追記
四話が公開されました。椎名さんと同じ顔とわずかな差異を持つ「葬儀屋」月影さんの登場。……大好きです。