(過去編)

 私の“RE:WINDワインド”は何時いつも、あのまわしい"6歳の誕生日"から始まる。それは、まるでフラッシュバックするかの様に…。あれから、長年のつきった日本にいる今でも、当時の鮮明せんめいな記憶はのうに焼きついて、いまだに消えせない。私が米国アメリカで唯一、解決そこなった未解決難事件。そして両親の命日めいにちであり、日本に帰国した最大の要因よういん。そう、あれは忘れもしない"クリスマスイブの誕生日"だった。

 今はなき、NY近郊外の"ハドソン住宅街112Q番地"。窓の外は一面、銀世界。室内との温度差で、窓が結露している。まだ幼い私は、休暇中の両親と共にクリスマスツリーの飾り付けをしていた。あの日の夜は、クリスマスをねた私の誕生日パーティーをする予定だった。共働きの記者である大手新聞NY支社の両親は毎年、その日の為だけに唯一の有給休暇を取ってくれていた。無事に周りの装飾も終わる。幼少の私にはキツかったのか、そのまま寝落ちしてしまった。その頃、夢の中では誕生日ケーキにある“2本”の蝋燭ロウソクの灯火を吹き消していた。

 すると突然、謎の"轟音ごうおん"が二回も鳴り響いた。その当時の私は、その時に始めて、“今までの出来事が夢だったんだ!”と気づかされた。夢から目が覚めると、私は二階奥にある自分の部屋のベットの上で寝かされていた。「きっと、お父さんが私をっこして、二階に運んで来てくれたんだ」と寝起きの私は思った。そして、目をこすりながらも起きてみると、クラッカーを鳴らし終わった後のような硝煙のにおいが二階の廊下に漂っていた。幼少の私は、とっに「さっきの音は、クラッカーの祝福音だったんだ。もうっ!誕生日パーティーが始まっている!」と思い込み、リビングへ駆け込んだ。でも、現実は違った。

 リビング室内は派手にらされ、ち果てた廃墟はいきょと化していた。そして、リビングの中央で血を流しながら倒れている両親は死んだ魚のような目をしていた。何度、身体をすっても。何度、話し掛けても答えてはくれなかった。到底とうてい、その当時の私には理解できなかった。いや、理解したくなかったのかも知れない。そんな受け入れがたい現実が、そこにはあった。泣きわめく中、当日の買い出しに出かけていた従兄いとこの叔父さんが帰って来てさんじょうの当たりにした。咄嗟に二人の生死を確認した叔父さんは私を家から連れ出して、すぐに警察を呼んだ。

 程なくして、みぞれ混じりのサイレン音と共にNY市警のパトロールカーが数十台に連なって、住宅街にやって来た。そして、複数の警察官が、"38口径"の小型リボルバー式拳銃“Smithスミス&Wessonウェッソン Mエム19”357MAGNUMマグナム*4inインch.を身構え、玄関から家の中に入って行く。数分後、たくから出て来た警官たちが警察無線で応援を呼ぶ。それからもなくして、所轄しょかつの刑事や鑑識かんしき係がりん場する。そのあと、誕生日パーティーに招待されて来る予定だった友達が駆けつけてくれた。その中には、華絵もいる。"KEEP立ち入り OUT禁止.NYPDNY市警"と黒字で書かれた黄色い規制線が自宅周囲に張りめぐらされ、何台もの捜査車両が自宅前の通りに横付けされる。こうして“蒼姫てい”は、のちに"ハドソン住宅街NY日本人記者夫妻殺人事件"と呼ばれる迷宮入コールド事件ケースの現場となった。


「"ハドソン事件"が原因で心因しんいん失声しっせい症になるも、FBI専属の心理カウンセラーがケア。その後、某大学の名誉教授チームによる"PROFILINGプロファイリング"を受けたことにより能力開花。蒼姫雫のIQ数値が一時、計測不可になるまで上昇。心理プロファイリングに携わった某大学の名誉教授は、蒼姫を“ユニークな能力の持ち主”と例えて好評した。FBIアカデミーを卒業後、米国連邦捜査局(FBI)に入局。異例の未成年ながらにして、史上最年少の飛び級でFBI捜査官となる。FBI捜査官就任から半年後、全米でも類を見ない隣州またぎで、連続して発生した"SerialシリアルKillerキラー."の正体が異国の宣教集団だった“BLOODブラッド KEYキーWORDワード.連続儀式殺人事件”を物の見事に解決する。

 その後も数々の難事件を解決へ導くが、事件を解決するたびに繰り返される例の事件の"後遺症"はえず、FBI幹部が次期エース指名で留意するもむなしく、敏腕びんわん街道のみちなかばで、蒼姫雫はFBIを辞めてしまう。その後、FBI監視下の元で日常生活を送ることになる。米国アメリカ時代に蒼姫雫が所持していた私物拳銃は、"45口径"の大型リボルバー式拳銃“S&W Mエム1917”REVOLVERリボルバー*5.5inインch.その拳銃は、蒼姫の両親が殺害される時に使用された拳銃と同種で、蒼姫雫は同じ拳銃と弾丸を使って、ミズカらの手で犯人をホウムり去り、“必ずや両親のカタキつ”と蒼姫雫自身が心の中でちかっている。

 うるう年の5月某日。蒼姫雫は私立探偵である叔父の蒼姫兼蔵ケンゾウから、"メイ"探偵で代役を頼まれていた“オックスフォード大学院名誉教授失踪事件(別名:彩色カラフルの研究メモ行方不明事件)”を見事に解決する。また、オックスフォード大学院内および、研究科ゼミ内偵ないてい調査期間中の際には、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)つながりで、"EDU(ヨーロッパ探偵ディテクティブ連合ユニオン)"に正式加盟している“ぜんオックスフォード学生探偵団(愛称:クラブ221B)”に外国人留学生としてふんしながら、滞在期間限定で特待入団していた。のちに欧州刑事警察機構ユーロポールおよび欧州刑事局組織犯罪テロ対策室の創設に携わり、当局初代局長となる。最終シャー兵器ロック少女・ガール:コードネームSIZUKUシズク-Fエフ.Bビー.Iアイ.Pピー(FrustフラストBeginningビギニングImageイメージProgramプログラム)*通称:ワシントンD.C.計画※秘匿プロ経歴フィールは、以上。国際公的機関ミレニアム検証委員会米国ウォーレン報告書最終調査公文書FBI項目より」

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