第4話 偉大な力

斉藤が行方不明になってから、何日経っただろう。斉藤が行方不明になってから1ヶ月半経っていた。あいつはもう帰らぬ人になってしまったのだろうか。そう考えていると、なんだか泣きたくなってくる。でも、まだ、あいつは死んだと決まった訳では無い。そう、どうにかしてあのサイトについて、なにかわかればいい。それから、帰ってくる方法を考えればいい。そこで、僕はそのサイトについて調べてみようと思った。そうだ、掲示板だ。掲示板になら、何かしらわかる情報があるかもしれない。案の定、それに関する掲示板は立っていた。

「呪いのサイト 通称人喰いサイトは、入力した名前が[404 Not found]になってしまった場合、その人物が行方不明になると言われている。」

「同姓同名である場合、検索した人と最も関係のある人が行方不明になるかも。」

「警察に問い合せてみても、ろくに対処なんてしてくれない。行方不明の事件として取り扱われるだけ。」

「サイトの開設者は不明。」

おおよそ、分かったことといえば、これぐらいか。そういえばこのサイト、建物の名前だとどうなるんだろうか。ふと、そんな事を思った。僕はこの行為が後の祭りになることとは思っていなかった。

「熊山高等学校っと。」

そして、「404 Not found」

「まさか、建物まで404になるとはな。流石に建物まで消えるなんてことはないだろ。」

そう思いながら、僕は布団に入った。

翌日のことだ。僕達の高校は、跡形もなく消えていた。そこには、ただ平地が広がっていた。僕は後悔している。しかし、それは同時に僕の心を蝕むものになっていった。

「そうか、僕の気に入らないものを消せばいいんだ...」

「ありとあらゆるものを消せるサイト、なんて最高なんだ、要らないものを消せる、好都合じゃないか。」

そう、そこから、ボクの中の歯車は確実に狂い始めていた。こんな偉大な力、使わないなんてもったいない。そう、この力はボクの物だ。ボクがこの手で...。

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