魔陣幻舞2のスピンオフとは知らずに読み始めましたが、大変面白く一気に読ませて頂きました。
武闘系太極拳の達人で、不器用だけれど、本家も含めた作中で最も女子っぽい反応が魅力的な"ギャップ萌えサブヒロイン"
洞嶋レイ女史がキーマンとして作品が描かれております。
メインヒロインのひかりちゃんはある出来事をきっかけにレイ女史に憧れる、素直で可愛らしい女の子です。
怪しい牧師兄弟の登場によって、幼馴染と仲睦まじく過ごす平穏?な日常だったはずが、川に流される葉っぱが支流で分かれていく様に、何がきっかけか、全てが神の導きなのか、ともかく一気に非日常へと変わっていきます。
SF要素あり、活劇あり、人間の善と悪、光と闇を表現しつつ、人情劇もあり。
全ての要素が上手く調和され、完成度の高い文章によってその世界観に没頭出来るよう巧みに仕上げられています。
筆者様は長編と表現されていますが、私には中編もしくは短編小説に感じるぐらい、あっという間に楽しく読み終わってしまった作品でした。
単体でも存分に楽しめる作品に仕上がっておりますので、少しでも気になりましたら、ぜひご一読いただきますと幸いです。
きっと"つばきワールド"の魅力に引き込まれますよ♪
『魔陣幻戯』シリーズにてすっかり「つばきワールド」の虜となった小生、こちらは文武両道の美丈夫・洞嶋室長出演のスピンオフ作ということで、3に引き続き拝読いたしました。
シリーズキャラはほぼ顔出しなしですが、心配は御無用。彼ら彼女らに勝るとも劣らぬ新顔が目白押しな上、序盤の滑り出しからは想像もつかない意外な展開の連続に、もうワクワクが止まりません。
謎の外国人神父ブラザーズの正体が明らかになる辺りから物語のギアが数段上がり、終盤にはダメ押しとばかりに超絶キャラ(必見!)まで登場……と、濃ゆ〜い人らに飲み込まれそうになりつつも、年若い主人公たちは懸命に考え、世界を見つめ、そして走ります。
主人公は2のみやびと同年代の少女ですが、みやびに比べるとまだまだ危うい感じで、ドキドキが増量……そう、この物語は不可避な運命に抗う者たちの闘争の記録であると同時に、いいえそれ以上に、洞嶋女史に憧れるひとりの少女の、厳しくも逞しい成長の記録でもあるのです。
少女よ、強くなれ!
読み終わってしまいました。もっとこの世界に居たい!っと言うのが完読の感想でした。
高校生が主人公の学園物語のテイストで話は進みます。日常生活を送る情景がとても自然で読みやすい。気が付くと物語の世界にのめり込んでしまうでしょう。
しっかりと日常生活に入った後、ひっそりと「つばきワールド」が歩み寄ります。現実では有り得ない事が起きるのですが、前半に何気ない布石が沢山あり、読み進めていく過程で回収していきます。その回収も露骨ではなく自然なんです。ストーリーとして構成がとても凄い。読んでいて違和感の無い異世界と言えば良いのでしょうか。前半部分の現実感。非現実が始まると違和感が生まれ易いのですが、物語に呑まれ読んでいますので違和感を感じません。各キャラクターの個性が強いとは思いますが、どの人物も現実感があり心情がくみ取り易いのが要因でしょうか。
神父の兄弟が登場しますが、この二人がとにかく怪しく見えるのは周囲を構築する人物、背景が現実的でとても良く出来ているからだと思いました。
異世界へ行ってしまう物語は多くあります。どの作品も工夫して創っているとは思います。
この作品の異世界は物語の主軸でもあり、おまけとも言えてしまう作品でした。誰かを想う気持ち。絆。信頼。人間性を大切にした作品です。勿論、異世界に行く事も重要な要素ですが、それ以上に人の心を扱った作品なのです。
作者様。素晴らしい物語を創って頂き、ありがとうございました。
笑ったり泣いたりと楽しませて頂きました。