何故、こんなに面白い作品が多くの方に読まれないのか不思議。

読み終わってしまいました。もっとこの世界に居たい!っと言うのが完読の感想でした。

高校生が主人公の学園物語のテイストで話は進みます。日常生活を送る情景がとても自然で読みやすい。気が付くと物語の世界にのめり込んでしまうでしょう。

しっかりと日常生活に入った後、ひっそりと「つばきワールド」が歩み寄ります。現実では有り得ない事が起きるのですが、前半に何気ない布石が沢山あり、読み進めていく過程で回収していきます。その回収も露骨ではなく自然なんです。ストーリーとして構成がとても凄い。読んでいて違和感の無い異世界と言えば良いのでしょうか。前半部分の現実感。非現実が始まると違和感が生まれ易いのですが、物語に呑まれ読んでいますので違和感を感じません。各キャラクターの個性が強いとは思いますが、どの人物も現実感があり心情がくみ取り易いのが要因でしょうか。

神父の兄弟が登場しますが、この二人がとにかく怪しく見えるのは周囲を構築する人物、背景が現実的でとても良く出来ているからだと思いました。

異世界へ行ってしまう物語は多くあります。どの作品も工夫して創っているとは思います。

この作品の異世界は物語の主軸でもあり、おまけとも言えてしまう作品でした。誰かを想う気持ち。絆。信頼。人間性を大切にした作品です。勿論、異世界に行く事も重要な要素ですが、それ以上に人の心を扱った作品なのです。

作者様。素晴らしい物語を創って頂き、ありがとうございました。
笑ったり泣いたりと楽しませて頂きました。

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