記録抹殺執行機関

　第三次世界大戦からの復興後、『大きなお友達《ビッグブラザー》』と呼ばれるスーパーコンピューターによる並列分散処理結果における判断が絶対的基準となった社会において、致死的模倣子《デッドミーム》と呼ばれる危険思想やそれに類する記憶を持つものは、生きる事さえ許されなかった。社会秩序を遵守する為設立された機関、その名は記録抹殺執行機関――通称、ダムナティオ・メモリアエ。執行官の目的は、標的の記録を過去現在未来から消し去る事で、致死的模倣子の伝播を防ぐことにあった。
　そして『河童』と呼ばれる執行官が出会ったのは、ある美しい少女だった――。



※以前ツイッターで頂いた『大きなお友達』『河童』『ダムナティオ・メモリアエ』という三つのお題を元に執筆した短編小説です。