第10話 悪であるということ

「姉さん、もう十分話したでしょう?それ以上は止めて」


 この奇妙な状況を止めに入ったのは美奈さんだった。

 ずっと今の話を聞いていたのか、彼女の表情はすっかり呆れ顔だった。


「……ああ、悪かった。もう夜も遅いしな、今度こそ終わらせて帰ろうぜ」


 麻里さんは俺の胸倉を掴んでいた手を放すと、倉庫の奥にある小部屋へと向かってすたすたと歩いていってしまう。

 俺は全身の力が抜けた感覚に襲われ、その場に立ち尽くしてしまった。


「……貴公、あまり考えすぎるでない。麻里の奴は何かと面倒な物言いをして誤魔化す奴じゃからのう」


 いつの間に居たのか、人格を豹変させたサイコちゃんが傍に立って俺の手を引っ張っていた。


「……はい」

「我らの仕事は市長殿の息子を連れて帰ること。それだけ考えておればよい。案ずるな」


 ずっと頭の中を思考の欠片がぐるぐると渦巻いている。

 明確な答えを出せず――そもそも今俺は悩んでいるのかどうかも分からず――サイコちゃんに導かれるように倉庫の奥へと進んだ。


 粗末な木製の扉を開けると、中は真っ白な蛍光灯で照らされた小部屋だった。


「へぇ……この匂い、消毒液か何かかな?」


 部屋の隅には緑色のカーテンで仕切られた一画があり、その周りには薬剤の入った瓶や謎のポンプ、古びた機材が無機質な電子音を流しながら並べられている。

 まるで即席で作られた手術室だった。


「……君たちは……市長の雇った護衛かね?」


 カーテンの向こう側から、ぼろぼろの白衣を纏った初老の男が出てきた。顔に刻まれた深いしわのせいで、相当に疲れている様に見える。

 麻里さんは瞬時に腰元から拳銃を引き抜き、用心するように男へと向けた。

 だが、男は怯える素振りすら見せない。


「ああそうだぜ。『悪女探偵 雨宮事務所』だ。誘拐した市長殿のガキ、返してもらうぜ」

「……そこのロッカーに入っている。さっさと連れ帰ってやってくれ」


 麻里さんは拳銃を男に向けたまま、ゆっくりと空いた方の手で部屋の壁に備え付けられた大型ロッカーを開く。

 中にいたのは――両腕を後ろに回され、猿ぐつわをかまされた涙を浮かべて身もだえする蓮司君だった。


「ふぅー……。何をするつもりだったのかは知らねえが、このクソガキが無事でよかったぜ。……んじゃおっさん、死ぬ前に何か言い残すことはあるか?何でこんなことをしたのか、とか、お涙頂戴のお話をよ」

「そうだな……。少しだけ、身の上話をさせてくれ」


 男は恐怖の色を一つも浮かべず、ただただ疲れた様子でカーテンの前に置いてあった粗末な椅子に腰かける。そして一つ溜息をつくと、ぽつぽつと語りだした。


「私はもともと業人街で働く医者でね。――と言っても行政区でじゃあない。あの荒れ果てたスラム街で、闇医者同然の仕事をしていたよ」

「へぇ、じゃあアタシらの住んでいる所に近いかもしれねえな」

「それは分からんが……大事な息子と二人で暮らしていたんだ。息子はその市長の息子と同い年で――同じ学校に通っていた」

「あんな薄汚ねえ街に住んでて、よくこのクソガキと一緒の学校に通わせられたな?相当立派な所らしいじゃねえか」


 少し驚いたような表情で麻里さんは言った。

 男は続ける。


「闇医者として得られる収入ってのは結構馬鹿にできない物でね。偽るための身分を買い、息子を立派な人間に育てられるための学校に入れてやったんだ。息子にあげられるものはなんだってあげたよ。こんな汚れた町から早く巣立って、立派な人間になってもらうために。ところが――」


 そこで言葉を区切ると、男は憎悪の目で市長の息子――蓮司君を睨みつける。


「どこで知ったのか分からないが……市長の息子さんが、うちの息子の出身を知ってね。……いじめを始めたんだ。それはそれは、過激なものだったらしいよ。いじめを苦にしてやがて息子は――」

「命を絶ったって訳か。んで、弔い合戦に市長の息子に復讐してやろうと」

「半分は当たっているな。確かに息子はつらい日々から逃れるために自殺を図ったよ。それに私が彼に復讐をしようとしたのも事実だ。だがね……」


 そう言うと男は歪な笑顔を浮かべ、仕切られたカーテンを思いっ切り開けた。

 そこには、ベッドの上に横たわる人の形があった。


 全身を包帯に巻かれ、所々体液で茶色く滲んでいる。あちこちからパイプや点滴の管が伸び、定期的に脈動していた。

 彼の体は時折動くものの、まるで奇妙な虫が身をよじっているようにしか見えない。

 生かされる為だけにそこにいる存在だった。


「私の大事な息子は死んでなどいないのだよ。今もこうして、必死に生きようとあがいている。失った臓器を機械と薬で補ってね」

「……酷いもんだな」

「ああ、酷い話だろう?……私は息子をこんな目に合わせた蓮司君とその親を許せなくてね。あらゆる手を使い、持てる物を全て投げうち、最高の復讐を遂げようとしたんだ」


 男は引くつく様に笑い、言葉を続ける。


「ある時、蓮司君の通っていた学校の医者と繋がりを持つことが出来てね。そしたらどうだ、彼の体は私の息子と相性が良かったんだよ!」

「……どういうことだよ」

「蓮司君は私の息子の臓器ドナーとして最高の存在だったんだ。それを聞いた瞬間、私は突っ走ったよ。いじめっ子の体を使い、いじめられた我が子を生きかえらせる。素敵な復讐じゃないかね?」

「ふん……」


 麻里さんは小さく息を吐くと、再度拳銃を男の額へ向けた。

 それでもなお、男は笑みを浮かべるのを止めない。


「おっと、どうせ私も息子も死ぬんだ、もう少しだけ頼むよ。……いくら素敵な復讐を思い付いたとて、私も人の親だ。迷ったよ。『人の体で我が子を蘇らせる』ことがどういう意味なのか考えたさ。だから市長には――猶予を与えてやったんだ」

「それがあの『予告状』か」

「そうだ。市長には自分の息子を守る時間を与えてやった。私は息子を守ることが出来なかった。だから試してやったんだよ」


 しわの刻まれた顔を震わせ、男は口早になおも続ける。


「『』とね。だが実際はどうだ? 自信満々に雇った護衛共は、私が最初から仕組んだ裏切り者たちだ。それに気付かず、怠惰に過ごしたあの男は馬鹿だよ。勝ったと思ったさ。市長も私と同じ悲惨な思いをするのだとね。だが――」


 そこで言葉を区切ると、男は口をつぐむ。

 奇妙な笑顔はふっと消え去り、代わりに諦めた様な瞳で俺たちを見つめた。


「君たちがこうしてここにやって来た。それがどういう意味なのかは言うまでも無いだろう? ……結局、持てる人間だけが勝ち、何もない私は負けたんだ。それだけのことさ」

「なーるほどね。んじゃおっさん、後は言うことは無いな?」

「……ああ。もう十分さ」


 麻里さんは聞き飽きたとでも言わんばかりに、引き金に指をかける。

 観念したように男は目を固く瞑った。

 次の瞬間――



「ま、待ってください!」

 

 俺は麻里さんに飛び掛かると、彼女の腕を無理やり降ろした。


「なんだよ左京くん、さっきあれほど言ったのにまだ正義の味方ごっこか?」

「違うんです!悪とか正義とか、俺には良く分からないけど……でも、俺はこの人をこのまま殺すなんてやっぱり見過ごせないんです!」

「はぁ……。君がアタシんとこの職員じゃ無ければとっくに。じゃあどうすんだよ。ほっといたらそれこそこのおっさん、また復讐に来るんじゃねえのか?」

「俺に考えがあります……!」


 麻里さんは水色の瞳で静かに俺を諌める。だが俺の口は止まらない。


「麻里さん、俺たちが市長さんから受けた依頼は、蓮司君を無事に『連れて帰る』ことですよね……!?」

「ああ、そうだけど」

「だったら、俺たちがすべきことは彼を『連れて帰る』だけでいいんです!」

「だからそれじゃこのおっさんが――」

「だからこの人に――俺たちの新しい依頼人になってもらえばいいんじゃないでしょうか」


 そう言うと、麻里さんはきょとんとした目で俺をまじまじと見つめる。

 心臓の鼓動は早く、頭の奥はじんわりと熱くなってゆくが、それでもなお俺の勢いは止まらない。


「この人に息子さんを助けるための依頼を、今度は俺たちにしてもらえばいいんです!」

「……何だってそんなことを」

「麻里さん、んですよね!? 市長さんには『契約通り息子を連れて行く』、この人にはその後で『自分の息子のドナーを見つける依頼をしてもらう』。そうすれば二重に依頼の報酬を受け取れるんですよ!」


 彼女は「こいつ何言ってんだ」って顔を一瞬したかと思うと、いきなり笑いだした。


「あはははっ!左京くん、自分が何言ってるか分かってる?」

「分かってます……!」

「このおっさんがもし本当にアタシたちに依頼をしてきたとして、『誰を狙うか』ってのも想像ついてる?」

「ついてます……!」


 俺は必死に答える。

 何と言われようと、どんな結果があろうと、俺にはその選択肢が最善だと思ったから。だから俺は、麻里さんに食ってかかった。

 ひとしきり麻里さんは笑うと、涙を拭きながら拳銃を収める。


「ははっ、やっぱり左京くん、君ってすごいわ」

「じゃ、じゃあ……」

「君の提案に乗ってやるよ。確かにアタシは損になる様なことはしない主義だからね」


そう言い放ち、麻里さんはリュックサックをおもむろに漁りだすと、中からくしゃくしゃになった小さな紙きれを取りだした。


「ほい、おっさん。これがうちの探偵事務所の連絡先だから! 何かあったら連絡してくれ」

「な、何を急に……」

「命拾いしたな。もしかしたらあんたの息子さんも。んじゃ、アタシらは市長のクソガキを『連れて帰る』のが仕事だから。またな」


 それだけ言うと、麻里さんは蓮司君を担いでさっさと部屋から出ていってしまった。

 彼女に担がれた蓮司君は、大粒の涙を零しながら眉を吊り上げ、必死の形相で俺を睨みつける。

 そんな彼の瞳を俺は――まっすぐ見れなかった。




 俺たちはゴミの山と化した放置区域から車を走らせた。

 道中、トランクに放り込まれた蓮司君は猿ぐつわを噛まされたまましきりに唸っていたが、誰もまともに取り合おうとはしない。もちろん、俺も。


 やがて車は賑やかな行政区へと舞い戻り、市長の邸宅へと着く。

 庭に残された大破した車は未だに火が燻っており、周りを野次馬や警察、軍服を着た連中に取り囲まれている。


「あー疲れた。さっさと市長殿に事の報告をして終わりにするぜー」


 その言葉を聞いた瞬間、俺は全身が冷えた思いに襲われた。


(そうだ……当然市長にこの話が行くに決まっているじゃないか……!)

 そんな俺の思いとは裏腹に、野次馬を分けて入った痛車は屋敷の裏で停まる。


「んじゃ、アタシと左京くんは市長殿と話を付けてくる。このクソガキは話しをつけたら連れて行くからさ、美奈とサイコはここで待っててくれよ」

「えっ、俺も一緒にですか?」

「当たり前だろ。君の意見を聞いてやったんだからさ。まぁでも、余計なことはしゃべらなくていいよ。アタシが適当にやり過ごすから」

「はい……」

「それじゃ二人とも……いってらっしゃい……」

「おう」


 麻里さんはぶっきらぼうに扉を開け、さっさと歩いていってしまう。

 (なるようになるしかない……!)

 俺は深く深呼吸をすると、彼女の後を追った。


 屋敷の中は夥しい数の警官やらなんやらで騒がしい様相だったが、その中に紛れていた市長は俺たちの姿を見つけると、注意深く手招きした。


「へへっ、あのおっさん、アタシらみたいなのと話してんの見られたらまずいんだろうなぁ」


 小馬鹿にした感じで笑い、麻里さんは市長の元へと向かう。


「やっと来たか……! ここで話すのはマズイ、別の部屋で報告を聞く……」

「へいへい」


 警官たちの合間を縫って、俺たちは屋敷の隅に作られた小さな物置へと通された。

 市長はきょろきょろと周りを窺うと、用心深く部屋のドアを閉める。


「それで……息子は、蓮司は無事なのか!? ちゃんと帰ってきたのか!?」

「問題ないぜ、ばっちり『連れ帰って』やりましたよ」

「ああ、良かった……! 息子はどこにいるんだ!? 早く会わせてくれ!」

「待てよおっさん。その前にここに書いてある請求書通りの金を、今すぐ用意してくれ」

「何を言っている! そんな暇がどこに――」

「おっさん、馬鹿にしてんじゃねえぞ。あんたの用意した護衛が誘拐犯に肩入れてたからこんなことになってんだよ。全部さ。それを拭ってやったアタシらの言うことはきっちり聞いてもらおうか」



 ドスの利いた声で、麻里さんはすぐ傍にあった金属製のバケツを踏み砕いた。薄暗い物置にからからと破片が飛び散る音が響く。


「ほい、今回の仕事にかかった費用はこんなもん。ちゃっちゃと持ってきな。そしたらクソガキを連れて来てやるよ」

「ぐうぅ……!」


 麻里さんがいつの間にか用意した請求書に目を通した市長は、苛立ち交じりに顔をしかめる。

 だが、今の彼に文句を言う選択肢は無かったのか、懐から携帯電話を取りだすと請求書に書かれていた額面通りの金額を持ってくるよう指示した。


「おっけー、これでアタシらも気持ちよく息子さんを連れてくることが出来るってもんだ。ちょっとここで待ってろよ」



 車に戻った麻里さんはトランクから蓮司君を引きずりだすと、屋敷の裏をきょろきょろと見渡した。


「おっ、あそこの窓からなら入れそうだな」

「麻里さん、玄関から入った方がいいんじゃ……それに、せめて猿ぐつわ位外しても……」

「馬鹿だな左京くん。このガキ連れて正面から入ったら面倒なことになるだろ。それにガキに喚かれても面倒なことになる。このままでいいんだ」

「はぁ、なるほど……」

「それにしても――」

「はい?」

「君がこのクソガキの命をもう一度狙わせるようにアタシにお願いした癖に、こいつの口を塞いでんのを心配するなんてな。君らしいや」


 薄暗い屋敷の影では彼女の表情はよく見えなかったが、確かに声は笑っていた。

彼女から見た時、俺はどんな顔をしていたのだろうか。




 再び物置部屋へやってきた俺たちは、用意されたアタッシュケースに入った札束を受け取る。俺は震える手で一つ一つ数えていき、確かに額面通りあることを確認した。


「ちゃんとあります……。麻里さん、大丈夫です」


 部屋の外で待機する麻里さんに声をかける。


「おっけー。んじゃ感動のご対面だ。ほら、市長殿」


 麻里さんは上機嫌にそう言うと、肩に担いでいた蓮司君をどさりと床の上に放った。


「なっ……! 探偵屋、貴様私の息子に何を!」

「うるせぇなぁ、仕事しただけですよ」

「なんだと!? ロープも解いていなければ、口も塞がれたままじゃないか! どういうつもりだ、貴様!」

「だから仕事をしただけだっての。なぁ、左京くん。そもそもアタシらが受けた仕事って何だっけ?」


 麻里さんはにやけ顔で俺の方へと振り返る。

 ごくり、と唾を飲むと、俺は市長の顔を見据えて答えた。


「――蓮司君を『』ことです。猿ぐつわを外すことでも、ロープを外すことでもありません」

「き、貴様っ! 若造の癖に馬鹿にしているのか!? そんな詭弁、通るものか!」

「通るか通らないかなんて、俺には分かりませんよ。本当に、あなたに言われた通りの仕事をしただけですから。それに――」


 今度は床に倒れた蓮司君を見つめる。今度は、恐怖と怒りと涙で塗れた彼の瞳を真っ直ぐ見ることが出来た。


「何があったのかは蓮司君に直接聞いてください。後のことはです」



 市長の家から足早に帰ってきた俺たち。

 大名商店から借りた車や銃は後日返すことにして、事務所で夜を過ごしていた。


「はぁ……」


 気が付けば俺は、『悪女探偵 雨宮事務所』の応接室でぼんやりとしていた。

 ソファーにうずくまり、ただただ意識をどこかに飛ばしていたのだ。


「ほい、左京くん今日はお疲れ。何だかんだ大変な一日だったなぁ。ミルクティー入れてやったから飲みなよ」

「……ありがとうございます」


 麻里さんはオレンジ色の寝間着姿でミルクティーの入ったカップを二つテーブルの上に置く。

 鉛のように重い体を起こして、湯気を立てるそれにそっと口をつけると、なんとなく気が楽になった。


「それにしても左京くん、アタシは君のことを少しばかり誤解していたかもしれないなぁ」

「……そうですか?」

「君は正義の味方ぶろうとしてたんじゃなくて――アタシ以上の悪人になろうとしてたのかもね」

「……俺、そんなつもりは」

「ないんだろう? だからだよ。でも、今はそれでいい。この業人街はそんな君すら受け入れてくれる。そしてアタシも君を受け入れるよ」


 柔らかな笑みを浮かべると、彼女は熱々のカップに口をつける。


(俺には麻里さんの考えが理解できなくて、だからそれに反抗しようとして……。それがどんな結果になるのかも本当のところは分からなくて……。でも、麻里さんはそれを認めてくれた)


 もうもうと立ち上がる湯気に、俺の意識は解けて行く。


(彼女は俺の考えるような悪人じゃなくて、本当は麻里さんが言う通り俺の方が悪人で……。ああ、もう分からなくなってきた)




 どれくらいの時間が経ったのだろう。

 ミルクティーはすっかり温くなっており、目の前でソファーに座っている麻里さんはうつらうつらと眠そうにしている。


 冷めたミルクティーを一気に飲み干し、空いたカップを片付けようとソファーを立った時だった。

 事務所の玄関から、小さくノック音が響いたのだ。


「麻里さん、お客さんみたいですよ」

「んぅ……あぁ、アタシが対応しておくから。片付けついでに、アタシのも洗っちゃってよ」


 寝ぼけ眼をこすりながら、麻里さんは俺に自分のカップを渡す。

 そして一つ大きな欠伸をすると、ゆるふわヘアーをかき上げながら玄関へと向かった。

 片付けようとキッチンへ向かう途中、どうしても気になってしまい、俺は玄関の方へと引き返す。


「あぁ、なんだ――アタシの『お客さん』か。ようこそ、『悪女探偵 雨宮事務所』へ」


 暗がりの中、普段通りの口調で言い放つ麻里さんの向こう側に立っていたそいつは、確かにを着ていた。

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悪女探偵 雨宮事務所の受難 ユーラシア大陸 @zuben2062

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