日常生活に潜む仕事の闇。煌びやかな美少女キャラクターたちが飾られたこのポップカルチャーの表舞台とは裏腹に、口約束という恐怖とおそらく実体験に基づいているであろうこの作品は、その表面のみを強調して星の数ほどの作品を輩出し業界を先導してきたカドカワという巨大すぎる文脈を経て、読者を恐怖のどん底へと陥れる。
読み終えるまでに10分とかからない短さでありながら、決して本来のポップカルチャーのメインステージであるインターネットのオモテ面には出てこないであろう闇の存在が、ヤクザや死神をも超越したモンスターとして表現されている。
読者は気づくと今ここにいる「カクヨム」という真新しく未来を期待させるこのサービスは、槨世夢という文字があてがわれた恐怖のボックスであることを認識させられるのである。