「撫でる」という動作一つに込められた愛
- ★★★ Excellent!!!
「好意」「欲望」「気紛れ」
この3つの要素が、人を動かす理由だと私は思う。
大抵の小説では、最後の「気紛れ」の部分が少ない。というか、行動にしっかりとした(その人物においての体裁の)理由が付いているし、大抵はその行動の本心を読み取る事が出来るようになっている。
ただ、だ。この小説には(私の中では)理由付けが曖昧で、理由を読み取る事が出来なかった箇所がある。
まあ、あえて付けていなかったのかも知れないが話を進めさせて頂く。
その箇所は、伏線としての後付け設定かも知れないし、自己暗示でもあったかも知れないし、はたまた本当にただの気紛れであったのかも知れない。
ここで注目すべき点は、その「気紛れ」が、本当に自然に、それでいて格好よく表現されている点だ。
筆者、竹林氏の文章力は、執筆した文字数が増えるほどに増していると思う。
それとも、私自身が作品を読んでいる内に、その文章に惹き込まれているのかもしれない。
要因は恐らく両者にあるだろう。
展開の速さ、セリフの程良い長さ、臨場感の表現、見る人までも癒される可愛さの表現、
その全てにおいて、素晴らしい。
星3を付けさせて頂きました。
ここまで長ったらしく書かせて頂いておいて何ですが、一番言いたい事は「耳の付け根を指の腹で撫でる」という動作が非常に、大変、とても、素晴らしい。という事です。(語彙不足)