ストレスフルな現代における参考書

 これは多分、ワーカーホリックな主人公であるアレス氏の価値観において名付けられたタイトルです。一般peopleである私などにとっては若干厳しいのではないかという想いがよぎります。
 
 しかしながら、世の中には時として上司の命令により、いわゆる問題児の面倒を見なければいけないことも出てきます。
 
 そのような時に、悲哀に埋もれながらもビジネスと割り切り、与えられた仕事をこなすアレス氏を見れば、まだ自分はましな部類であると考えられるのではないでしょうか。いくら社〇や上〇がクソったれで「〇ね!」と大声で叫びそうになる状態であっても、取引先の村長が舐めた態度であろうとも、問題児たちが斜め上過ぎるトラブルを起こし、天を仰ぐ状態になったとしても、この小説を読めば、自分の置かれてる境遇は、まだましだと冷静に考えられる気がします。
 
 異世界が舞台の物語でありながら、ストレスフルな現代において、いかに「――これは、ビジネスだ!」と割り切り、冷静に物事を考え、効率的に処理することがどれだけ重要なのか考えられる作品です。よろしければ、ぜひ手にとって読んで頂ければ、幸いです。