ストレスはある、されども

まず主人公が勇者ではなく、そのサポートをするプリーストというのが面白い。さらにそのプリーストの方がずっと実力が上で、勇者を導いていく立場というのも他にあまり類を見ない設定です。
勇者とはいえまだ十代の少年、召喚された基準も正義感という性格が大いに加味されているようなので、綺麗事や甘いことばかり言い出します。一方主人公のプリーストはかなりの現実主義者で効率的な言動が目立ちます。読者としてはどうしても主人公に感情移入してしまうので、勇者の青臭い絵空事にはなかなかストレスが溜まることでしょう。
しかしこの作品はストレスを溜めるばかりのモノではありません。ときにはざまあみろと思うような展開もありますし、ヒロインとおぼしき女性も登場します。それに私の予想では勇者はおそらく……。それを考えると今後はむふふな展開になるかもしれませんし、ストレスの原因にこそ面白いものが隠されているのではないかと思っています。

この作品を読みはじめて途中でやめるのはもったいない。
多少焦れることがあっても読み進めてみてはいかがでしょうか?