その三

 前回に続いて面倒な説明がなされると思った方には残念なことだが、


 従って、地球上では特殊な修行以外で魔法や超能力を習得することはできない。


 だからこその異世界設定である。

 ボルザにおいては脊椎動物も無脊椎動物も電気シナプスによる伝達が主であって、脳内をコイル状に結合しているから、右ねじ方向であれば地場は放射され、逆方向になれば吸収される。そのための呪文であり、呪文による脳内の活性化が磁場を強化することになる。従って、その呪文に人類の言語が影響を及ぼす、所謂『概念汚染』が深刻なものとなる。脳内の電流の流れが乱されるから、魔法がおかしな作用を及ぼすことになるのだ。

 また、個蟲による神経系への直接接続により、地球人でも概念共有へのアクセスが可能となる理論的根拠となる。さらに、一度、その電流の流れを体感してしまうことで、長年の修行を経過した後のように、生体装甲外部でも概念共有が可能となり――


 あの、ちゃんと聞いていますか?


 つまりですね、魔法は科学であって、物語の背景にはそれなりの根拠が準備されているわけですが――


 あの、本当にちゃんと聞いていますか? 呆れていませんか?


( 終り )

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生体装甲『神白狼』 補足説明 魔法が科学となる条件 阿井上夫 @Aiueo

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