アニミズム的な子供の視点で語られる優しい世界に、懐かしさを感じました。「えう」は赤ちゃんが実際に発音しやすい(なん語っぽい)音から成っているので、物語の世界観に自然と馴染めました。他の子(?)のもシンプルな名前でありながら様子が想像しやすくて良かったです。
うまいなあ、と感心しました。短い文章の中に必要な情報と展開がキッチリ備わっていて、上質な児童文学を読んだ時のような、清々しくホンワカした気分になりました。
読了後の言いようのない懐かしさと、もどかしさが残る。口に出せばとけて消えてしまう、小さなはじめての友達。天井に消えてしまった君は、次の誰かの友達になるのかな。それとももう一度生まれてきたときに会いに来てくれるのか。名前を呼んでもらえるって、とても素敵なことだもの。
非常に巧みに世界に引き込まれる。 誰もが確かに一度は見た世界。これは始まりの終わりなのか。