概要
盂蘭盆の七日間。灰が落ちたその刹那、刃が奔る。
【灰が落ちるまで、抜くこと罷りならぬ――】
天正年間。甲斐と信濃の境、吊り橋一本でしか外と繋がらない谷底の隠し金山「黄泉沢」。
この地を支配する城主・穂刈刑部は、盂蘭盆の七日間、命を賭けた「死合い」を催していた。
立ち合う二人の間に寝かせた、一本の線香。
そこから最初の灰が落ちた瞬間が、始まりの合図だ。
灰より先に鯉口を切れば、櫓の鉄砲衆に即座に撃ち抜かれる。
男装の居合遣い「千之助」こと千早(二十二歳)は、この命懸けの谷へ単身乗り込む。
五年前、香の家だった一族を炎の夜に滅ぼされ、連れ去られた弟を取り戻すために。
携える武器は、父の形見の刀と、煙と風の流れを読む一族秘伝の技。
だが――刑部の名代として二刀を構える少年は、姉の顔を忘れていた。
目が見えぬまま千早の息を聴き分ける盲目
天正年間。甲斐と信濃の境、吊り橋一本でしか外と繋がらない谷底の隠し金山「黄泉沢」。
この地を支配する城主・穂刈刑部は、盂蘭盆の七日間、命を賭けた「死合い」を催していた。
立ち合う二人の間に寝かせた、一本の線香。
そこから最初の灰が落ちた瞬間が、始まりの合図だ。
灰より先に鯉口を切れば、櫓の鉄砲衆に即座に撃ち抜かれる。
男装の居合遣い「千之助」こと千早(二十二歳)は、この命懸けの谷へ単身乗り込む。
五年前、香の家だった一族を炎の夜に滅ぼされ、連れ去られた弟を取り戻すために。
携える武器は、父の形見の刀と、煙と風の流れを読む一族秘伝の技。
だが――刑部の名代として二刀を構える少年は、姉の顔を忘れていた。
目が見えぬまま千早の息を聴き分ける盲目
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