概要
君を救いたかった。けれど、君の苦しみを、僕は何も知らなかった。
十二歳の綾瀬守は、勉強も運動も苦手で、人付き合いもうまくできない中学一年生。母親に大切に育てられながらも、学校では周囲になじめず、いじめを受けていた。そんな守が出会ったのは、十六歳の女子高生、秋山沙織だった。美しく、成績も優秀で、仲間たちの中心にいる沙織。しかし、彼女には誰にも話せない家庭の事情があった。塾講師の矢沢美咲との出会いをきっかけに、少しずつ自信をつけていく守。一方、沙織は守との交流を通じて、これまで誰にも見せなかった弱さを覗かせるようになる。やがて守は、沙織を苦しめているものの存在を知り、何とか彼女を助けようとする。だが、人の心は正しい言葉だけでは動かせない。守が成長していく一方で、沙織は次第に危険な世界へと足を踏み入れていく。愛されて育った少年と、愛されることを知らずに生きてき
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