概要
神は人を量る。彼女は、帰ってきた人数を数える。
冬を越すには、獣の胸から採れる「心核」の灯が要る。
寒冷なヴァルテン王国では、年に一度の「秤の日」、神の天秤で「軽い」とされた者が「冬の家」へ送られる。そこから帰ってきた者の話を、誰も聞いたことがない。
十二歳のイルゼは、その秤によって弟ミロを失った。
数年後。剣、斧、槍、弓――すべての武器で序列最下位の彼女は、狩人として生き延びるため、淵に棲む獣を観察し続ける。
「狩りは独りで、正面から」
絶対の戒律のもと、狩人たちは一対一で獣に挑む。だがイルゼは、誰も気づかなかった一つの法則を発見する。
やがて王が彼女に預けたのは、次の秤の日には冬の家へ送られるはずだった十人。
誰も、小柄な彼女を隊長として信用していない。
イルゼも、勇ましい演説などしない。
ただ出撃の前夜、河原で拾った石を一人ずつ手渡
寒冷なヴァルテン王国では、年に一度の「秤の日」、神の天秤で「軽い」とされた者が「冬の家」へ送られる。そこから帰ってきた者の話を、誰も聞いたことがない。
十二歳のイルゼは、その秤によって弟ミロを失った。
数年後。剣、斧、槍、弓――すべての武器で序列最下位の彼女は、狩人として生き延びるため、淵に棲む獣を観察し続ける。
「狩りは独りで、正面から」
絶対の戒律のもと、狩人たちは一対一で獣に挑む。だがイルゼは、誰も気づかなかった一つの法則を発見する。
やがて王が彼女に預けたのは、次の秤の日には冬の家へ送られるはずだった十人。
誰も、小柄な彼女を隊長として信用していない。
イルゼも、勇ましい演説などしない。
ただ出撃の前夜、河原で拾った石を一人ずつ手渡
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