概要
死者の最後の十分間を拾う。今日の端末には、兄が映っていた。
ダンジョン配信の時代、探索者が死ぬと端末に「最後の配信」が残る。戦えないE級の俺・志野辺湊(しのべ・みなと)は、その端末を拾って遺族に届ける「回収屋」だ。死者の動線を読む目だけが取り柄で、配信者としての登録者は三十人。ある日、初めて引き受けた大型依頼で回収した端末の映像に、三年前にダンジョンで死んだはずの兄が、こちらに手を振っていた。届けた配信は晴らせなかった濡れ衣を晴らし、依頼は殺到し、回収のたびに視聴者が増えていく。だが兄の端末の信号は、今も最深部で動いている。回収屋は、今日も誰かの最後を拾いに潜る。
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