概要
もののけは、人間より人間を知っていた。
江戸時代半ば、幕府は「人がより住みよく暮らせる世」を探るため、若者・佐助を「もののけならい」として全国へ送り出す。訪ねるのは、牛鬼、一本だたら、夜刀神、だいだらぼっち、山ン本五郎左衛門。恐ろしい姿とは裏腹に、彼らは人間の心を誰より知る“先生”だった。怒り、欲、焦り、思い込み――人間が忘れた大切なことを、時に厳しく、時にユーモラスに説く。旅を終えた佐助が老中に伝えた答えは、意外にも単純だった。世を変える特別な知恵ではなく、一人ひとりが日々を少しずつ正しく生き直すこと。それこそが、住みよい世をつくる鍵だった。
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