★
0
概要
桜吹雪の金さんはいなかった。いたのは、幕府に生きた男、遠山景元。
「この桜吹雪が、目に入らねえか」――誰もが知る遠山の金さん。しかし、実在した遠山景元は、江戸の町を駆け回る侠客ではなかった。幕府に仕える旗本として役目を重ね、やがて町奉行となった景元は、改革をめぐる政治の渦中で、幕府の理想と江戸の現実の間に立つ。人々の暮らしを守るため、何を通し、何を退けるのか。名奉行と呼ばれた男の生涯をたどりながら、後世の講談や芝居によって作られた「金さん」の姿を剥がし、その内側にいた一人の幕臣の人間像を描く。そこにいたのは、英雄ではなく、迷いながら決断を重ねた幕臣だった。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?