昔は男気があって、どこか憎めない友人。そんな相手だからこそ困っている時に手を差し伸べたはずが、気づけば貸したお金は増えていくばかり。呆れながらも完全には見放せず、怒っているのにどこか情が残っている。そんな二人の関係が一人称の語りから伝わってきて、思わず笑ってしまう場面の中にも、長い付き合いだからこその複雑な気持ちが感じられます。「もう貸さない」と言い切れるほど単純ではない友人関係が、どこへ向かっていくのか気になる作品です。
二人の登場人物がいるのに、セリフがあるのは主人公だけ。それなのに、主人公の言葉から相手がどんな人物なのか、二人がどんな関係なのかが自然と伝わってきて、まるで二人の会話を目の前で見ているようでした。こうしてセリフのない相手の存在までしっかりと感じられるところが、この作品の魅力だと思います。クスッと笑えるやり取りの中にも二人の関係性が感じられて、最後まで楽しく読ませていただきました。一日の終わりに、ぜひ読んでいただきたい楽しいおすすめ作品です。
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