概要
夫は私が予約した産前産後ケアの個室を愛人に譲り、
出産予定日の一週間前、私は一人でキャリーケースを引き、半年前から予約していた凪ヶ丘メディカルケア・レジデンスを訪れた。
産前産後のケアを受けながら滞在できる施設で、私が予約していたのはマタニティ向けのプレミアムヴィラだった。ところが受付の女性は、端末を何度も確認したあと、ひどく言いづらそうな顔でこちらを見た。
「黒川様、大変申し訳ございません。ご予約いただいていたヴィラですが、昨日、ご変更の連絡が入っております」
思わず聞き返した。
「変更、ですか?」
「はい。ご主人から『ご本人も了承済み』とうかがいまして、現在は旧館の六人用相部屋を確保しております。ただ、そちらは出産直前の方には通常ご案内していないお部屋ですので、念のためご本人にも確認をと思いまして……」
一瞬、何を言わ
産前産後のケアを受けながら滞在できる施設で、私が予約していたのはマタニティ向けのプレミアムヴィラだった。ところが受付の女性は、端末を何度も確認したあと、ひどく言いづらそうな顔でこちらを見た。
「黒川様、大変申し訳ございません。ご予約いただいていたヴィラですが、昨日、ご変更の連絡が入っております」
思わず聞き返した。
「変更、ですか?」
「はい。ご主人から『ご本人も了承済み』とうかがいまして、現在は旧館の六人用相部屋を確保しております。ただ、そちらは出産直前の方には通常ご案内していないお部屋ですので、念のためご本人にも確認をと思いまして……」
一瞬、何を言わ
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