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概要
江戸の中期から、三百年の間『蜘蛛の印』に呪われ蜘蛛女となった少女のお話
享保十一年・徳川吉宗公が進める「享保の改革」の頃。目安箱の開封が執り行われていた。
『恐れながら、公儀へ直に訴え奉る。日本橋室町に店を構える金主、両替商・美濃屋。その主たる美登良、近頃の様子、おかしきこと限りなし。ここ数月の間、住み込みの丁稚、女中らが夜な夜な姿を消し、戻る者一人としてなし。されど主の美登良は「暇を出して実家へ帰した」と言い張るのみ。されど、去ったはずの奉公人の実家に訊ねれど、誰も戻ってはおりませぬ。夜更け、美濃屋の奥座敷より、ちち、ちちと、聞いたこともなき不気味な虫の鳴くような、あるいは細き糸を繰るような音が響く。あれは人にあらず。美濃屋はすでに、世の理を外れた化け物の巣窟にございます。何卒、隠密裏にお調べくだされ――』
そして、時代は巡り明治から第二次世界大戦後の復興にわ
『恐れながら、公儀へ直に訴え奉る。日本橋室町に店を構える金主、両替商・美濃屋。その主たる美登良、近頃の様子、おかしきこと限りなし。ここ数月の間、住み込みの丁稚、女中らが夜な夜な姿を消し、戻る者一人としてなし。されど主の美登良は「暇を出して実家へ帰した」と言い張るのみ。されど、去ったはずの奉公人の実家に訊ねれど、誰も戻ってはおりませぬ。夜更け、美濃屋の奥座敷より、ちち、ちちと、聞いたこともなき不気味な虫の鳴くような、あるいは細き糸を繰るような音が響く。あれは人にあらず。美濃屋はすでに、世の理を外れた化け物の巣窟にございます。何卒、隠密裏にお調べくだされ――』
そして、時代は巡り明治から第二次世界大戦後の復興にわ
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