概要
お通りください。荷は、こちらでお預かりしますわ
「持参金のない娘は要らない。商いは損得だ」
商家の跡取りだった婚約者は、うちが没落した翌週にそう言った。
損得。結構ですわ。では、得のある所へ参ります。
辺境伯領の関所が、検め役を探していた。荷を検め、税を取り、通す。給金は月に金貨二枚。
「一荷目。絹十反、産地は隣国とのことですが、この織りは王都ですわね。関税は倍」
「二荷目。花嫁道具一式、宛先は辺境伯様。持参金は金貨三百、ただし箱の底は石ですわね」
三荷目、四荷目。荷を開けるたびに、誰かの嘘が一つ減る。
「ロズモンド! 俺の荷を止めるな!」
「関所は荷を検める所ですもの。元婚約者様の荷も、王家の荷も」
そして辺境伯様が、関所の窓口の前に立って仰った。
「関所を通れた花嫁候補は、まだ一人もいない」
「検めが厳しくて、申
商家の跡取りだった婚約者は、うちが没落した翌週にそう言った。
損得。結構ですわ。では、得のある所へ参ります。
辺境伯領の関所が、検め役を探していた。荷を検め、税を取り、通す。給金は月に金貨二枚。
「一荷目。絹十反、産地は隣国とのことですが、この織りは王都ですわね。関税は倍」
「二荷目。花嫁道具一式、宛先は辺境伯様。持参金は金貨三百、ただし箱の底は石ですわね」
三荷目、四荷目。荷を開けるたびに、誰かの嘘が一つ減る。
「ロズモンド! 俺の荷を止めるな!」
「関所は荷を検める所ですもの。元婚約者様の荷も、王家の荷も」
そして辺境伯様が、関所の窓口の前に立って仰った。
「関所を通れた花嫁候補は、まだ一人もいない」
「検めが厳しくて、申
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