概要
殺人を見ていた男は、犯人ではない。ただ、ずっと見ていただけである。
警視庁刑事部捜査一課長・堀越殿のもとへ、一通の長い手紙が届く。
本郷区のアパートで殺されたタイピスト、松村美津子。 警察は、事件直前に彼女と争い、その後姿を消した青年を追っていた。
だが、手紙の差出人は断言する。
――彼は犯人ではありません。私はそれを見ていました。
向かいの下宿から独逸製の望遠鏡で、事件の一部始終を眺めていたという男。
帰宅時刻、食事、電話、恋人との諍い、髪を梳いた回数、そして洋服箪笥に起きた僅かな異変。
その異常なほど詳細な「証言」は、やがて警察の知らない真犯人を指し示してゆく。
しかし、事件の真相を語り終えても、男の手紙は終わらない。
「私はただ、見ていただけであります」
江戸川乱歩『堀越捜査一課長殿』に捧げる、書簡体探偵怪奇譚。
佐倉陽介さんの企画『江
本郷区のアパートで殺されたタイピスト、松村美津子。 警察は、事件直前に彼女と争い、その後姿を消した青年を追っていた。
だが、手紙の差出人は断言する。
――彼は犯人ではありません。私はそれを見ていました。
向かいの下宿から独逸製の望遠鏡で、事件の一部始終を眺めていたという男。
帰宅時刻、食事、電話、恋人との諍い、髪を梳いた回数、そして洋服箪笥に起きた僅かな異変。
その異常なほど詳細な「証言」は、やがて警察の知らない真犯人を指し示してゆく。
しかし、事件の真相を語り終えても、男の手紙は終わらない。
「私はただ、見ていただけであります」
江戸川乱歩『堀越捜査一課長殿』に捧げる、書簡体探偵怪奇譚。
佐倉陽介さんの企画『江
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