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概要
そのフネを奪った。行き先も知らないまま。
栄えた文明を、かつて崩壊させてしまった小さな星の話。
人が空を飛べなくなった世界で、地面を這うように走るフネがある。
故郷を失った者たちが、そのフネを奪った。どこへ向かうかも知らないまま。
奪った者と、奪われた者が、同じスープを啜った。
温かい水をたっぷり使った、贅沢なスープだった。
ドームの中では今日も授業がある。
その日の演習で、少女は何かを消した。
気のせいだと思うことにした。
外には、居場所を失った者たち。
中には、与えられた居場所しか知らない者たち。
どちらも、自分が何をさせられているのかを、知らない。
そのフネは、命令では動かない。お願いすると、動く。
どうやら、人間が、嫌いではないらしい。
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