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「故地奇譚」22-17.木の実と虫と秘密基地と……

22-10~14
身も蓋もなく言えば、ヒト属ヒトは生物的には群れを作るサルでして、群れでいる→序列ができる→自分が上位にいることに快感を覚える、そういう生物。
同時に、ヒト属ヒトを特徴づける性質の一つが想像力で、思いやりもその産物です。
ただし、思いやり自体が生存and/or繁殖に有利に働いた結果、そう進化したというわけでは多分ないんじゃないか、と個人的に思ってます。
結果、後者が前者に勝てないこともある。

もちろん後者が前者に優越している状態が理想ですが、現実として、どんな状況でもどんな相手に対しても、人としての思いやりを常に同じだけ持って接することができる人って、多分ものすごく少ないと思います。
(ちなみに、生物的にそうand/or皆そうなりがちという理由で、他者への思いやりに欠いた行動を正当化できるわけでは絶対にありませんので、そこは誤解のなきよう)

寺下の変容は言うなれば、『ヒト属ヒトらしさ』による快感を優先して、『人間らしく』あることを放棄した結果。

郁のほうは、自分の行動によって佐野の『人間らしさ』を減少させ、『ヒト属ヒトらしさ』を増加させてしまったのではないか、と反省している状態です。

価値観の異なる異世界で、その上サバイバルなんて状況におかれれば、そりゃあそれぞれ倫理観が試されるだろうってことで、違い、書いてて楽しいです。
倫理観を郁や江間はなんとか保った、寺下と菊田、佐野は放棄した。が、佐野が取り戻しつつあるように、今後もそれぞれ変化していくかと。

なお、寺下と似た行動をとる福地ですが、彼、ヒト属ヒトらしさでも人間らしさでもない感覚で動くので、ちょっと別枠です。こういうタイプも書いてて楽しい。


22-14
人間含め、群れを作ってその中でマウンティングで序列を確認するような生物は、自分より下だと見下していた相手が自分に歯向かうと、上位だと思う相手にされるよりはるかに激しい反応をする、という研究があります。
寺下はそこを利用される、と。
さて、悪いやつは誰だ、と思わないではいられない。


22-15&16.
江間と郁には誤解と温度差有り。

シャツェラン、無自覚です、この期に及んでなお、郁に対する執着はかつての親友であり理解者であるがゆえだと思ってます。


22-17.
シハラ、死にかけていました。サチコが死に、彼女がどうしても助けたいと願ったアーシャルも助けられなくて、絶望して気力を失っていたこともあって、一時危ないところまで。
が、コトゥドの身内らしき人物が現れて、しかもアーシャルらしき子まで連れていると悟って、絶対にまだ死ねない、と。
好き勝手は彼女のデフォルトではありますが、まあ、もうどうせ死ぬし、というので拍車がかかってました。

イァズルテ=大神官長=かつてのシハラの婚約者=80年来の恋人です。元々はセルの王族の血を引く、陽の位の跡継ぎです。
幼馴染でシハラが好きで好きで仕方がなくて、弟たちが自立するまで結婚しないという彼女をずっと待ってました。
ようやく結婚できるとなった時に、マトゥーアンヌのせいでコトゥドが汚名を被せられ、リィアーレ家が離散。
シハラが神殿に入ったのを追って、家を捨てて神殿入りした人です。

シハラは人生の最後を彩り、かつ救ってくれた郁と江間が、可愛くて仕方がないのです。とてもそうは見えない人でしたが。


――とそんなところで。

まとめてのお礼になって恐縮ですが、作品にいただく諸々、どれも本当に幸せに拝見しています。
この話に関しては特にかも。だって誰が読むのさ…?って自分で思ってるからね(しみじみ)ってことで、本当にありがとう!!

次回リバル村――米探しに、反バルドゥーバ勢力です。

が、ちょっと消えるので、更新とびがちになります。
そうなのよー、ネットが繋がるかどうかわかんないのよー。
不便は不便で楽しいやってことで、事前に対策を打つ予定もないので、誤字脱字の修正や感想への返信など諸事の対応は後手になるかもです。ご了承ください。

なんせ…――大型肉食獣の生息地!久々で超嬉しい!
うん、切ない話、滅多に出会えないんだけど、実際はその方が幸せだったりする←知らない間に頭の上にいたりなんかしたら、その瞬間から世界観が変わる
てことでまた。あなたもどうかよい夏を! お互い体調、気をつけましょうね。

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