お久しぶりです。深月(みづき)です。
お元気ですか?
執筆仲間の狼駄様から、
なんとガレッツォ&アスターの短編(前編)をいただきました……!!
(『葬送のレクイエム──亡霊剣士と魂送りの少女』
第2章「さまよえる亡霊のごとく」のキャラです)
で、「私だけ独り占めしちゃうのもったいない~!!」ってなりまして(笑)。
活動報告になっちゃうんですが、
ご紹介させてください^^
ファンタジー世界の住人なはずのアスターたちが、
なかなか楽しいことになってます♪♪
↓↓
【侘しさと切なさと揺れる心とォ】
「───ア"ア"ア"ア"ア"…………。今夜も独り、贅沢は言わねぇ。たまには誰かに酌(しゃく)して貰いてえもんだぜ…………」
俺の名はガレッツォ。しがないただの傭兵だ。今夜もいつもの酒場で独り、カウンターでエールをあおる。愛らしい連れが居る客がやたらと悪目立ちする。
───独り身の中年男、やたら侘しさがこみあげて来る。
「───これで良いのか?」
刹那、左隣から何とも無粋な声で瓶に入った酒をグラスに注がれた。明らかに違う酒同士が勝手に混じり合うのを止められない。酒ですら俺を差し置き交わるだなんて酷いが過ぎる。
「良いッ!? んな訳ねえだろがァッ! この死に急ぎ野郎! 俺は女の酌で飲みてぇんだっ!」
───アスター。此奴如何にも女なんて興味ねぇって澄ましてる上、全く気も回らん癖に不自由しそうにないタイプだよなぁ、クッソ!
そしてさも当たり前の様に俺の隣に腰掛けると「此奴と同じ奴頼む」 シレッと注文して居座る。
───本当に気が利かない野郎だ。俺はわざと隣を空けてた。『お隣、宜しい(空いてる)かしら?』 そんな夢すらぶち壊された。
「───判らん。酒なんて誰が注いでも同じ味だろ? そんなに女が良いのか?」
「お前の言ってる方がまるで判らんっ! 世界の半分の男は敵に回るぞ! ───あん時のお見合い、断るんじゃなかったぜ…………」
この酒、最早俺の塩味(涙味)すら混じってやがる…………。さっき此奴に注がれた酒もエールも、そして俺の心の中さえぐちゃぐちゃだ。
───そう、お見合い。俺にもそんな浮いた話が昔はあった。けれど哀しき傭兵稼業、依頼を受けたら断る訳にはゆかなかった。あんときゃこの無い頭もフサフサだったさ。
「オ・ミ・ア・イ? 何だそれ、旨いのか?」
「カァーッ! お子様かよっ! マジ信じらんねぇ! 良いか? お見合いってのはなあ? 結婚したい男女がだなぁ…………」
───アスター…………。此奴お見合いすら知らんとは世間知らずも甚(はなは)だしいな!
「───なるほど。ひょっとしてコレの事か?」
不意に見た事ない物を死に急ぎ野郎から見せつけれ、俺は色を失う。小さな手鏡の様な中に、麗しき姉ちゃんの笑顔が映っていた。
「なんだソレッ!? この中に女の子が入ってんのかっ!?」
「そんな訳あるか。これはスマホだ。元々は電話なんだがこれで調べたら…………な?」
異様に慣れた手つきでそのすまほとやらを弄ってやがる。此奴の頭ン中もそうだが一体全体何がどうなってやがんだ?
「お、お前そんなもの一体何処で?」
「この間、やたらと暴れ散らした奴等が居ただろ? 彼奴から貰ったんだ。此処に『お見逢い』って書いてあるぞ。これじゃないのか?」
「ちょ、ちょっと貸せ。『パートナーを探してるそこのアナタ。お見逢いならいつでも探せるどこでも探せる…………ちょ、ホントかよこれ」
冒険者ギルドで偶に見かけるパートナー募集みたいなもんだろか?
「───俺に聞くな、全く判らん」
───嗚呼、そうだろうよ。お前の場合、お見合い処か、そのギルドに顔出しすらしないに決まっている。
「だいたい何処でもってのが怪しすぎんだろッ! どうせこんな辺境に…………居たァァァァッ!! うっそだろぉぉぉぉ!!」
「やかましい、酒が不味くなる」
「だってみろよコレェ! 住み:リビドって書いてあんぞ! しかも独りだけ!」
───こ、これは絶対運命だ!! 真面目に日々を生きる俺を神様は見てくれてたに違いないッ!
「お、俺この女(人)にアポ取ってみるわ! サンキュッ!」
「───お、おおぅ。何か良く判らないが、力になれて良かった」
俺は意気揚々と酒場と碧眼の剣士を後にした。背中に感情の置き去りにしたアスターの見送り声が届いて来たが、お構いなしだ。
───この機会(チャンス)! ぜってぇモノにしてやるぜッ! 待ってな、リビドの待ち人さんよぉぉお!!
(続く……?)
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いかがでしたでしょうか♬
個人的にはアスターが途中、
ワン〇ースのルフィくんみたいな台詞言ってるの、
めっちゃツボりました……!(笑)
本当にありがとうございました(⋈◍>◡<◍)。✧♡
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『葬送のレクイエム』と狼駄様の『ローダ『最初の扉を開く少年』』とのコラボ小説も載せておきます。
また、連載中の『マーダ『森の護り人・ファウナ』-ローダ第零章-』では、女商人パルメラのそっくりさんも友情出演しています^^
よかったら、チェックしてみてくださいね♪
〇『ローダ『最初の扉を開く少年』』
番外編 『蒼氷の瞳に流れる緑色の星屑』(作:狼駄様)
https://kakuyomu.jp/works/16816927860109686660/episodes/16818093075767133228
〇『マーダ『森の護り人・ファウナ』-ローダ第零章-』
「第29話 美麗かつ危険なる4番目の女」(作:狼駄様)
https://kakuyomu.jp/works/16818093080624080623/episodes/16818093083986487363
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『葬送のレクイエムⅢ』の執筆も楽しんでやっていきます。
みなさまもご自愛くださいね。
(AIイラスト:狼駄様作の傭兵ガレッツォです♬)
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✨✨『葬送のレクイエム』シリーズ✨✨
https://kakuyomu.jp/users/yuki-tsubasa/collections/16818023213660973288
「私が生きてる意味って何なんだよぉ……!」
──孤独な剣士と奴隷の少女が織り成す癒しと再生の鎮魂歌(レクイエム)。
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