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小説における数字の書き方

Web小説を書籍化する際に問題となるのが「数字の書き方」である。

もともとWeb小説は横書きなので、僕は基本的に算用数字を使っている。また「JR」とか「Suika」とかいった横文字もいっぱい使う。しかし、これを書籍化する際に色々と面倒が生じる。

日本の一般文芸書籍では、数字は漢数字を使うことが多い。はじめて小説本を出すことになった際、なるべく幅広い年齢層をターゲットするために、文章作法は慣例に従っておくべきだと思った。ただ「18きっぷ」を「十八きっぷ」と書くのは明らかに変だ。というわけで以下のようなルールにした。

・原則として漢数字
・「二十五」ではなく「二五」
・駅構造に算用数字で書かれているもの(通路の番号とか)は、本文でも算用数字
・特別な意味を持つ数字(18きっぷ、42番出口など)は算用数字
・1桁なら全角、2桁なら縦中横、3桁以上は縦に並べる

といった具合だが、はっきり言ってめんどくさかった。自分でもルールをよく忘れるし、書籍化に際しては作家・編集者・校正といった人たちの手を経るので、ルールが複雑になるとコストが指数関数的に増大するのだ。

というわけで2作目の『重力アルケミック』では算用数字で統一した。こちらは理工系大学生の一人称なので、算用数字のほうが自然だろう。慣例など知らん。

正直なところ、小説もさっさと横書きになればいいのに、と思っている。同じアジア圏でも中国や韓国はとっくに横書きだ。原稿も横書きで書く作家も多いだろうし、SFはもちろん現代モノの小説でも「Facebook」とか「LINE」とかいった横文字がどんどん出てきている。縦書きに「変換」するコストは年々高まっているといえるだろう。

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