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命あればこそ

まだ夏の暑さが残る日、突然義弟が亡くなりました。
以前から膵臓が悪いと聞いていましたが、急に病気が悪化したようで、朝方トイレの前で全身が冷たくなって倒れていたのを両親に発見されたのだそうです。
作業員の仕事を長年続けていて、風貌的に近づきがたい雰囲気がありましたが(汗)、話しかけるときさくに応じてくれた記憶があります。
魚釣りが趣味で、漁船に乗って沖合まで出て、大漁の日はお裾分けを頂いた日もありました。つい先月も、生姜漬けや天ぷらにした魚を頂いたばかりでしたので、正直信じられませんでした。
葬儀の日、大きなヒラメを手に笑顔を見せる遺影を見て、涙が止まりませんでした。

葬儀から帰ると、郵便受けに先日申し込んだ文学賞の結果が届いていました。
昨年は見事入選したのですが、今回の結果は落選……。
昨年は早期に入選と表彰式の通知があったのですが、今年はいつまでも通知が来なかったので、ダメだったんだろうなと思って覚悟はしていました。でもいざ落選の文字を見た時は、やっぱりガックリきましたね。
通知を読むと、審査員からはわりと好評だったようですが、ある程度先を読めてしまう物語展開が評価を下げてしまったようです。

妻に結果を報告すると「生きているうちはいくらでもチャレンジできるし、チャンスはあるから」と言って励まされました。
義弟だって、死にたくて死んだわけじゃない。これからも趣味の釣りをとことん楽しみたかったに違いない。
自分はまだまだチャレンジできる、チャンスもある。
そう考えると、ほんの少しですが気持ちが前向きになりました。

※今週は「大きなケヤキの樹の下で」はお休みします。
 それから、「あの夏の蛍」自分の作品で初めて評価数が100を超えました。
 三年前、武蔵野文学賞向けに書いた作品でしたが、発表から年月が経っても多くの方に読んでいただいていることに驚いています。読んでくださった皆様に感謝申し上げます。

※写真は、福島県裏磐梯の「グランデコ」で撮影した草紅葉です。
 義弟の死と同じ頃、福島県を代表する俳優・西田敏行さんの訃報が入りました。震災当時、頻繁に福島に足を運び県民に寄り添い、復興支援をしていた姿が印象的でした。ご冥福をお祈りします。

4件のコメント

  • 義弟様のご冥福を、心よりお祈りいたします。

    私の職場で長年清掃で働いてくださっている女性の方の息子さんが、1週間ほど前に急逝されました。息子さんはまだ53歳、仕事中に倒れられたそうです。彼女は旦那様を10年ほど前に亡くされてからはその息子さんと二人暮らしでした。
    あまりにも辛い報せに、他人事と思えず、激しく胸が痛みました。
    こちらでも訃報をお聞きし、更に胸が詰まる思いです。

    まだまだお若い年齢の方の訃報が最近とても多い気がします。いつ何が起こるかわからない人生、今目の前にある一瞬一瞬を大切にしなければ。改めてそんな思いになりますね。
  • 自分がそういう年齢になってきたということでもあるのでしょうけれど、私の周りでもちらほら似たような話が聞こえ始めています。
    漠然と、老いるということを考えておりましたが、私の場合は自分の死が怖いというよりは、真綿で首を絞められるように、周りから人が少しずついなくなっていってしまう、ということの恐怖のほうがより恐ろしいような気がいたします。
    お悔やみ申し上げます。
    いずれは自分も逝く身なれど、先にそれを数多く見送らねばならないという辛さもありますね。
  • 義弟様のご冥福、心よりお祈り致します。西田敏行さんの訃報にも胸が痛みます。

    Youlife様の近況報告に様々な事を考えさせられました。
    奥様の励まし、素晴らしいですね。このようなご家族の存在は財産ですよね。優しい作品の生まれるのが分かる気がします。
    湧き上がってくるものがある時、作品になると思っています。
    また、いつも挑戦しているYoulife様の姿勢は前向きで、見習いたいとも常々思っています。
    最近、自分自身も停滞してしまいがちなので、ゆっくり描きたい世界を見つけたいと思っている所です。
    お互い頑張りましょう。
  • 皆さん、コメントありがとうございます。

    >aoiaoiさん
    お知り合いに同じような方がいらっしゃったんですね。
    その方はご主人も亡くされているようですし、精神的に辛かったことでしょうね。53歳では僕とそれほど年齢が変わらないので、他人事とは思えません。
    いつ何が起こるかわからない人生、今目の前にある一瞬一瞬を大切にしなければ……まさにその通りですよね。今回の件を通して、若い時には全く無かった「今を大切にしたい」という気持ちが強くなった気がします。

    >天川さん
    「周りから少しずつ人がいなくなっていく」ということ、僕自身も実感しています。数年前に祖母を亡くして以来、毎年のように身近な人が亡くなり、じわじわと「逝く」ということが身近に感じられるようになってきました。まさに真綿で首を絞められる、という感じですよね。
    これからも身近な人達が先立ち、そのような思いをすることもあることでしょう。辛いけれど、この世に生き残る者として負わされる宿命なのでしょうね。。

    >秋色さん
    励ましのお言葉ありがとうございます。
    今回の挑戦は失敗に終わりましたが、家族の一言で前向きになれたような気がします。何度も失敗を経験するかもしれませんが、チャンスある限りこれからも挑戦は続けようと思います。
    秋色さんも、焦ることなく湧き上がってくるものを大事にしながら、納得いく作品を創り上げて頂ければ、と思います。お互い頑張りましょう。
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