新緑まぶしい季節、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
僕は恥ずかしながら、ほんのちょっと五月病のような感じになり、気持ちがどことなく沈みがちな感じです。物事をネガティブにとらえてしまうというか……。
沈むことなく自信を持ってずんずん進められる人がうらやましいと感じました。
さて、この時期になると今も思い出す出来事があります。
それは遡ることちょうど十年前の五月。
僕は元ビートルズのポール・マッカートニーの国立競技場でのライブに参加するため、上京していました。
前年のツアーが大盛況に終わり、その感動がまだ脳裏に強く残っていたことや、野外ライブが心地いい五月、しかも東京オリンピックに向け取り壊しが迫っている国立競技場ということで、がぜん期待が高まっていました。
開演前、僕はポールがやってくるのを出待ちするため、会場近くの交差点で待ち構えていました。たくさんの人たちがずらりと外苑西通りに並び、ポールがやってくるのをいまかいまかと待ち続けていましたが、いくら待ってもポールは姿を現しませんでした。
沿道に並んだ人たちがざわめく中、しばらくすると拡声器を手にしたスタッフが登場しました。
「ポールが体調不良のため、ライブは中止になりました」
スタッフのアナウンスはこれだけで、振り替え公演の話も病状についての説明もありませんでした。がっかりし、泣き出したり大声で不満をぶちまけるファンの人たちもいました。中にはガッツリとコスプレしてきた人もいましたし、揃いのグッズや手製のメッセージボードを掲げていた人もいました。
僕もポールのファンとしてかなり気落ちしましたが、いつかまた来てくれると思い、名残惜しい気持ちで国立競技場の建物を眺めながら帰途に着きました。
当日はちょうどいい位の暑さで、風もさわやかで……ライブ実現したら、きっと最高の思い出になっただろうな~( ;∀;)。
ちなみにポールは病気が完治せず、一公演もできないまま帰国しましたが、帰国後すぐに元気を取り戻したようで、翌年再来日し、無事にリベンジを果たしてくれました。
ここ数年は来日していませんが、もう御年八十一歳になるポール。無理は言えませんが、元気なうちにもう一度あの歌声とシャウトを聴きたいです。
※写真は、中止になったライブ会場で購入したTシャツとパンフレットです。今も捨てることなく、しっかり保管しています。