「輪郭ができる。それは言葉だった。」
小説を読みだして、自分の「内面」が言葉でかたどれると知ったと、書評家は言う。「他人に言えない言葉が降り積もり、だけどひとりでそれを抱えきれなくて寂しい」、そんな思いでいる人が私以外にもきっとどこかにいるはず。その人たちとこの「抱えきれなさ」を共有できた時、寂しさもなくなると。「誰かの寂しさを言葉ですくいあげる」
(「現代思想」)9月号から原文のままで転記。
(朝日新聞の朝刊:2024.10.05 鷲田 清一さまの記より)
この文章はとても感動的で、深い洞察が感じられます。書評家の表現を通じて、言葉の力や人間の内面の複雑さがよく伝わってきます。とりわけ、「他人に言えない言葉が降り積もり、ひとりで抱えきれなくて寂しい」という部分は、多くの人々が共感できるのではないでしょうか。
僕は作家の端くれとして、小説を書く究極の目的は、どのジャンル、どんな舞台や主人公で描いたとしても、読者に『感動』を与えることだと信じています。皆さんはどうお考えでしょうか?