蛇足が過ぎます。完結済み作品の続編を閃いた時、作者的には前作に匹敵するか、それ以上の面白さを自負しているのですが、読者からすると蛇足だと捉えられることがあります。
こと私個人に関しても、続編の構想をプロットにまとめ、数ヶ月ぶりに読み直すと、あまりの駄作、蛇足ぶりに恥ずかしさすら覚えます。「こんなものを面白いと思っていたのか」と正気すら疑います。
深夜の謎テンションというわけではありませんが、一時の衝動で書き上げたものほど、情熱が失われた頃に読み返すと読むに耐えないものです。それは、衝動即ち激情がスパイスとして小説の面白さに上乗せされているからでしょう。無意識のうちに自分の作品にだけ加点されているのです。人間は理性と感情を併せ持った生き物ですから、自画自賛するものなのでしょう。
とは言え、無関係の読者に作者の激情を押しつけることはできませんので、続編にせよ新作にせよ蛇足にならないように、いろんな角度から物語を見つめて筆を進めたい所存です。