今、月の神殿にいる。それは、バーやキャバクラの名前ではなく、遺跡として公開されている神殿だ。そして、それは月面上にあった。
ここに至る経緯を少し。昨年の11月にベネズエラの油井から大量のスラッジが回収された。いわゆるスラッジ(フィルター上に残ったもの)を再利用すべく揮発分を取り除く工程から青い六角形のプレートが17枚回収された。回収されたソレをノッチが刻んである形で重ねると6角柱になった。
ここまでは、プレートの持ち主であるベネズエラ政府が解析のために公開されている情報である。そして解読できたものには、1億円の賞金がかかっている。
わかっているのは油井の底から回収されたものということで、生半な暗号というかプレートが作られた時代のというか、時代いや世界というのが正しいかも。
わかりやすい部分を解いていくと月の神殿にたどり着いたのが、ここにいる理由だ。
ここは、5年ほど前に発見されて一時期ブームになったところだ。ブームになった理由は、月面上だと比較的どこにでもあるアーチを走っていくと、ずれた重力バランスによりアーチの中を「ぐるん」と回れるようになっている。それが、発見された5年前がMAXで徐々に回れなくなって観光客からの注目が薄れてきた。特定の場所だけ