• 現代ドラマ
  • SF

【ネタバレ注意】不幸の対価~セイカツ~の投稿完了

今日にて、以前別サイトで掲載していた『不幸の対価』の投稿が完了したことを報告します。

この作品も元々はDMグループの企画SSより生まれたものですが、その経緯は過去の作品のプロットから流用したものとなります。

『不幸の対価~セイカツ~』を執筆する経緯としては、当時いろんなweb作品を読んで、率直に思ったのがほとんどが素敵な世界であったことです
いろんな作者が描くハッピーエンドが溢れており、それはとても素晴らしいと思いました。でも、こうも思いました。
「どうして皆、暗い話を書かないんだろう?」と。

そこで私の天邪鬼が発動し、暗い話を書こうと思い立ったのがこの『不幸の対価』です。

以下はこの作品のネタバレを含みます。

私はまず『復讐』が前提の物語を用意しました。
昨今で流行る復讐ものを読み、いかに読者にスカッとしてもらうかを参考に、設定を現代へと移しました。

だが、現代に移すとどうにもリアルな部分がほしい。
そこで私は過去に実際に目の当たりにした家庭崩壊寸前までいった友人の恋人の家庭を主軸に設定を練りました。それが主人公となる梨沙とその家族たちが出来上がりました。

それから彼女に復讐のチャンスを与えるきっかけを考えました。
悩み悩み、私はふと過去に構想だけを練った『異能力×トラブルシューターもの』の作品を思い出し、そのプロットを読み返しました。

そこで敵役の候補にあの青年の原型がいたのです。
それが、すぐにパーカーにブルーのジーンズ、ハイカットスニーカーを履いて不敵な微笑みを私に浮かべてきたのです。

一瞬で彼の容姿やその性格。ニヒルなような冷めた台詞が生まれました。

この時、彼の名前は仮で、『ANALYZE』というものでした。
そこでアナライズ→ナズという名前を取りました。

彼が持ってくる復讐のアイテムである砂時計や物語の流れは、おそらく過去に見た「笑うせぇるすまん」や「地獄少女」の影響が強いです。
それはナズが劇中で「対価の砂時計には対価以上の支払いがある」という言葉を言います。
これは「人を呪わば穴二つ」を意味し、復讐という道を選べば、己も身を亡ぼすということわざからですね。

私自身、きっと復讐される者は復讐されても仕方ないような悪を持っていると考えており、そんな人らに復讐するというのは、自らもその悪の道に進むものだと解釈しております。

今回の話では、梨沙は復讐よりも今の現状を打破したいと願ったために、心から復讐を願っているわけではないオチなので、『復讐もの』という作品には遠い仕上がりになってしまったと書き終わってから悩みました。

ですが、この設定はかなり気に入り、別の短編を書いたり、長編への構成を考えさせるものになりました。

この世の中にある残酷なこと。這い上がることが出来ない弱者に、手を差し伸べる顔の見えない高次元の存在と、それに遣わされてやってくるナズ。

いずれ、またどこかで新たな物語が日の目をみることが出来れば、と思っております。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する