さて、六月ももう終わりとなります。
現在、『そら~不思議な女の子と天邪鬼なぼくの一年を綴る~』を亀の歩みが如くペースで更新させております。
別段、忙しいといえばウソと言えませんが、きちんと執筆する時間はとれております。
問題は別で構想している作品のプロットや各イベントでのSS作品の執筆など、寄り道が多いのです。これは非常に申し訳ないです。
ですが、どうにも周囲の出来事がインプットとなり、すぐにアウトプットしてしまう癖があるのです。
癖といえば、良いも悪いもありますね。
私事でございますが、私は眉毛の手入れを毛抜きを使わず、エチケットカミソリとクシとハサミで行います。
「なんで毛抜き使わないの?」と問われれば、「やったことないし、抜いたら二度と戻ってこないのでは?」という無知と恐怖心に囚われているからです。
さて、これは6月21日の月曜日のことです。
私はいつも通り、洗面所の鏡の前でシェービングクリームを使って眉毛を整えておりました。(のちにほとんどの方が化粧水でやっていることを知りました)
さて、その日も慎重に形を整えようとしました。私の手はゆっくりとカミソリを操りました。ちょうど眉間の間を刃を縦にして……。
ゾリッ
思わず手を滑らせてしまったのです。
ゾッとしました。眉間には綺麗な縦に残ったクリームの刃の軌跡。そしてクリームには剃られた毛の束。
人差し指でクリームを掃うと、思わず呟きました。
「あれ……眉毛なくない?」
そう、右眉が異様に眉間から離れてるのです。そして、眉があったとこは太陽の光が届かなかったであろう、新鮮な白の地肌が見えるのです。
もうこうなってしまうと、どうしようもありません。本来ならばアイブロウペンシルなどで誤魔化すのが一番なのでしょう。
ですが、ここで私の悪い癖が出ました。
(これ、左側も同じようにすれば自然に見えるのでは?)
そう、アシンメトリーされしっかりしていればなんとかなるだろう、という甘い思考。深く考えない楽観主義の能天気。
私は何の疑いもなく、左眉を剃り始めます。
決めたら最後。猪突猛進の私の迷いのない指がカミソリを操り、左の体毛を剃っていくのです。
時間にして僅か十数秒。毛が混じったクリームを掃った私は呟きます。
「麻呂がいる……」
そう、鏡の向こうには平安京にいそうな公家の眉毛をした男がいたのです。
それも眉間がだいぶ強調された離れ眉毛の麻呂。
途端に絶望が襲いました。
あぁ、明日会社に行ったら絶対に笑われる。終わった。
私はこの一件をツイートし、落胆した肩に無理やり毛布を被り、眠りにつきました。
明くる日、会社に行き、何食わぬ顔をして仕事をしました。その頃には自分の眉毛のことなどすっかり忘れ、からかい好きな先輩と談笑しながら業務に励んでいたのです。
ですが、談笑していた先輩が笑うのを止め、私の顔を凝視し、言い放ちます。
「お前、眉毛変じゃね?」
この一言で全て終わりました。
案の定、私のあだ名は『麻呂』となりました。そして、抱腹絶倒の様子で笑い終えた先輩は、眉毛の正しい整え方を教えてくださったのです。
世間知らずで無精な私と違い、数々の世を渡って自分磨きに強い先輩の言葉は非常にありがたいものでした。
皆さま、いつもの癖は時に身を亡ぼす可能性があります。
今回の近況ではこんなことをお伝えします。
昼は暑く、夜は肌寒い季節でもあります。
体調管理に気をつけてください。それと、眉毛の管理にも。
兎マロ