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月が泣く森

月が泣く夜
森は光の雨に濡れる

誰かの胸の奥で
言葉にならない祈りが
そっとほどける

涙は消えずに 形を変えて
葉の上で ひとつの灯になる

風が運ぶのは 慰めではなく
「まだ歩いていい」という囁き

そして夜明け前
森の奥で 小さな足音がひとつ
静かに未来へ 溶けていった

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