• 詩・童話・その他
  • 恋愛

ガラスの鍵

眠れぬ夜、枕の下から小さなガラスの鍵が見つかった。
それを手に握ると、胸の奥にかかっていた扉が、かすかに開く音がした。

扉の向こうには、まだ誰にも話していない願いが、光の粒となって漂っていた。
ひとつ手にとると、ぬくもりが指先に伝わり、まぶたが重くなる。

鍵はもう要らない。
扉は心の中で静かに閉まり、願いの光だけが夢へと連れていった。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する